アンディ・ストットとデムダイク・ステアのマイルスがミリー&アンドレア名義で作品を発表したり、ヘムロックの主宰者=アントールドによる初作がそっち系だったり……〈インダストリアル〉というタグは2014年も有効だった。
界隈のトレンドを挙げると、音圧が上がり、メタル系のアクトとの繋がりがわかりやすい形で見えてきたことか。チノ・モレノによる†††をはじめ、スコット・ウォーカーとサンO)))、ボディとハクサン・クロークとの邂逅、そしてワイフことジェイムズ・ケリー(アルター・オブ・プレイグス)のトライ・アングル入りなどが端的な例だろう。そのトライ・アングルと言えば、チルウェイヴの流れからウィッチ・ハウスなる潮流を生んだレーベルだが、SDライカを筆頭にすっかりノイズ作品を得意とする集団へと変化した印象。
それはさておき、ダブ・テクノに舵を切ったウィリアム・ベネット(ホワイトハウス)によるカット・ハンズや元ナパーム・デスのジャスティン(バグ作品にも関与!)ら、〈ポスト〉以前からこの手の音を追求してきたアーティストも強力なアルバムを投下し、暗黒音楽シーンは混沌の様相を呈しながら着実に中毒者を増やしているのだ。
▼関連作品
左から、アントールド『Black Light Spiral』(Hemlock)、ワイフ『What's Between』(Tri Angle)、カット・ハンズ『Festival Of The Dead』(Blackest Ever Black)
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