前置きなしに、キティ・デイジー&ルイスと共鳴するような、レトロでモダンなヴァイブを放つ心の同志たちを紹介しよう。まずは昨夏に〈フジロック〉出演を果たしたブラック・キャット・バッパーズから。ピュア・ロカビリー的な風情もさることながら、2014年作『Boppin' Atcha』では元クラッシュのポール・シムノンが客演及びジャケのイラストを手掛けているため、ミック・ジョーンズが援護した『Kitty, Daisy & Lewis The Third』と聴き比べてみるのも一興かと。
続いて、スカ・クバーノのフロントマンが率いるナッティ・ボー&ザ・トップ・キャッツ。エディ“タンタン”ソーントンを介し、ルイスがレコーディング/マスタリング・エンジニアとして関与した2012年作『Voodoo Working Ska』に顕著な通り、アナログ機材に徹底してこだわる点はKD&Lと同じく。もちろん、オーセンティックなスカを追求する姿も両者は似ている。
さらに、3姉弟のレーベル・メイトでブルースやゴスペルを我流に咀嚼した温故知新的なスタイルを持つヴァレリー・ジューン、時流に媚びないルーツ・ロッキンなサウンドとパンチのあるメガネっ娘歌唱が強烈なサリー・フォード&ザ・サウンド・アウトサイド、最新作『Tribal』もフルスロットルにスウィングしてみせた〈2000年代最強のロカビリー・クイーン〉ことイメルダ・メイ――これらのいかした女傑たちにもまた、KD&Lに負けず劣らずのガチンコなヴィンテージ・モードをビンビン感じてしまう。そしてスタイルはやや異なれど、古き良きオールディーズへの憧憬をド直球に表現しているという意味では、ネオ・ドゥワップの超新星、ブリリアンティアーズにもKD&Lに相通じる心意気を感じるのだが、どうだろう。