この特集で紹介しているのは今回のリイシュー・シリーズの作品のみだが、ジョニー・テイラーがレーベル最大のヒット作とされる『Good Love!』(96年)を生んだ90年代も、それ以降も、マラコはマイペースに活動を続けている。2000年代にはジョニーの愛息フロイド・テイラーをはじめ、ウィリー・クレイトンやマーヴィン・シーズといったローカルの巨人たち、さらにはデヴィッド・シーやユークリッド・グレイ(元パブリック・アナウンスメント)らがコンテンポラリーな作法と共にレーベルを盛り上げた。2010年には「America's Got Talent」出身のクイーン・エミリーを輩出。その頃には一時的にジャーメイン・デュプリ率いるソー・ソー・デフ作品を配給したのも話題となった。
2011年にはトルネードで社屋とスタジオを失う不幸に見舞われるも、マスターを保管している倉庫は無事だったという。〈ラスト・ソウル・カンパニー〉として築かれた揺るぎないブランドは、この先も良品を送り出し続けてくれることだろう。