インタビュー

DAISHI DANCE、シーンの変遷やトレンドにハマる既発曲をアップデート/完全リニューアルさせたベスト・アルバム

DAISHI DANCE、シーンの変遷やトレンドにハマる既発曲をアップデート/完全リニューアルさせたベスト・アルバム

絶えず自身をリニューアルし続けているDJが、メロディアスかつドラマティックな本質をよりエモーショナルにビッグルーム化!

 このたび到着したDAISHI DANCEの新作『DAISHI DANCE Re-EDIT BEST TIMETRAVELER』は、リエディット・アルバムにして、ベスト・アルバム。過去に発表した自身の楽曲をアップデート/完全リニューアルしているのだが、そこには確固たる思いがある。

 その思いには、ここ数年のダンス・ミュージックのサウンドにおけるビッグルーム化、言い換えればフェスでの機能性が大きく関係している。DJのキャパシティーも、1,000人だったところがいまや10,000人を越える場所でプレイすることとなり、楽曲もそれに比例して変化。そして、彼自身も当然リニューアルを重ね、進化し続けてきた。そんな時代において、DAISHI DANCEは今回過去の楽曲を、いま、ふたたびDJとしてプレイすべく現在に蘇らせたのである。

 「原曲で伝えたいポイント、メロディー、感動は失うことなく、いまのダンス・ミュージックへと作り替えています。あくまで原曲の個性を踏まえながら、いまプレイするために一番ベストな手法で作りました」。

DAISHI DANCE DAISHI DANCE Re-EDIT BEST TIMETRAVELER urban sound project.(2015)

 デビュー時のDAISHI DANCEと言えば、誰よりもメロディアスで、ピアノが基調だった。ドラマティックな要素を伝えるために自身も好きなピアノを多用していたのだ。しかし、いまはその要素を保ちながらも、より現代のトレンドと連動し、なおかつエモーショナルで説得力のあるサウンドを体現すべく、哀愁たっぷりのシンセを活用している。そこが大きく変化した点ではあるが、彼の言う通り、原曲の本質が変化することはない。まるで初出の曲のような真新しさを感じさせつつも、原曲の個性は確実に息づいている。

 「リミックス以上に手を加え、変化させているものもありますが、リミックスとなると原曲からどこか離れてしまっている感があるんですよね。今回はあくまで原曲を大事にしたかったので、リエディットという言葉を使いました」。

 収録曲は全15曲。今作の選曲基準に関しては、いまのトレンド、いまのダンス・ミュージックのフォーマットにハマるものであり、なおかつリエディットしたうえで原曲を超えるもの。ベスト盤だからこそ入れるべき曲というのもあっただろうが、確固たる基準のもとセレクトすることでよりクォリティーは高まっている。そして、今回は音楽性も幅広い。オリジナル・アルバムであればある種の統一感も必要だが、本作は違う。あくまで原曲からのイメージを膨らませることで生まれたサウンドなだけに、自由で、ヴァラエティーはいつも以上に豊かだ。ハウシーな楽曲からトライバルなもの、トランシーな作風に、EDMフォーマットのものまで、DAISHI DANCEの懐深さをたっぷりと味わうことができる。そんな今作のジャケットは、長崎県の軍艦島で撮影されたものだ。

 「タイトルを〈タイムトラヴェラー〉に決めたとき、迷わず軍艦島が浮かんだんです」。

 彼自身、以前から好きだったという軍艦島。廃墟となり、そこから時間が止まったかのようにいまなお当時のまま残るこの島は、本作のタイトル、そしてコンセプトにも合致し、彼がここを思い浮かべたのも納得と言える。もちろんジャケット写真はDAISHI DANCE自身の手のよるもので、さらに今回は、彼の新しい趣味であるドローンを飛ばして撮影した、貴重な軍艦島の最新映像を使ったMVも登場。アルバムと共に、要注目だ。

 

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ここではDAISHI DANCEの近作を紹介。2013年9月に〈リブランディング・アルバム〉と称したフル作『NEW PARTY!』で完全フロア・ユースな王道ハウスへ振り切った彼は、早くも同年末にはジブリ曲のカヴァー集の第2弾『the ジブリ set 2』を発表。さらに2014年5月にはミックスCD『EDM LAND』もリリースし、圧倒的な昂揚感をもたらすEDMアンセムの連続で、メロディアス&ドラマティックな持ち味と時流を交配しました。そのトレンドを落とし込んだオリジナル作『GEKIMORI』を同年8月に送り出すと、3か月後には東京・渋谷のアートスペースに向けたミックスCD『Heartbeat presents SOUND MUSEUM VISION mixed by DAISHI DANCE』も登場。ダンス音楽界のスピーディーな変遷と共に、彼も自身をリニューアルし続けています。 *bounce編集部

 

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