インタビュー

DAISHI DANCE 『GEKIMORI』 Part.1

激烈な盛り上がりのなかにDJとしてのアイデンティティーを刻んだアッパー・ハウス! 大型ダンス・フェスの時代へしなやかに斬り込むDD流のEDMとは?

DAISHI DANCE 『GEKIMORI』 Part.1

 活動の主軸である〈DJ〉によりシフトするべく、昨年既存のイメージを刷新――リブランディングしたDAISHI DANCE。〈アッパー・ハウス〉を掲げ、その時代ごとにもっとも踊れる、享楽的なサウンドをプレイし続けてきた彼がそこでリンクしたのは、世界のミュージック・シーンを席巻し、なおかつトップDJたちの新たな主戦場である〈フェス〉で猛威を振るうEDM。今年はいよいよ世界的なダンス・フェス〈Ultra Music Festival〉が日本上陸し、他にも数多くのDJフェスが開催されるが、そんな絶妙のタイミングで彼は、稀代のムーヴメントを取り込んで進化する。

DAISHI DANCE GEKIMORI urban sound project.(2014)

 「僕自身、今年の夏は野外フェスだけでも12本DJが入っていて、そこで即戦力になるものが欲しかった。リアルタイムな時代性を反映していて、すべて海外リリースも視野に入れたシングルになり得る曲ばかりです」。

 そう本人も話す通り、新作『GEKIMORI』は〈激盛り(上がる)〉曲が揃っている。しかし、単純に〈盛り上がる=EDM〉ではない。彼が元来備えるハウスのエッセンスはもちろん、さまざまなサウンドを意欲的に採り入れ、盛り上がりに〈激〉が付くのも頷けるものばかり。地元の札幌を拠点に活躍するラッパー・HOKTYOUNG DAIS、そして東南アジアでいま絶大な人気を誇るスボイをフィーチャーした“WORLD IS MINE”ではDD流のスタジアム系EDMを、気鋭レゲエDJのスタッシュを迎えた“WE WON'T STOP”では前作でも見せたダンスホールEDMの進化系である激烈アッパー・チューン(本人いわく「ズンドコ・ヤーマン」!)を披露。一方で、マット・キャブとの“COME TO LIFE”では持ち前のメロディーセンスを発揮し、はたまた自身の人気曲“SAX@ARENA”や“Let Life Loose”のピアノをサンプリングするなど、従来のDAISHI DANCEらしさも随所に残している。盛り上がりのなかにもアイデンティティーを残すその手腕は流石だ。

 「いまも僕の過去の曲を(DJで)かけてほしいという常連さんが多いんです。ただ、時代も変わり、音圧も現場での盛り上がりのツボも全然違うので、ピークタイムにはそのままかけられない。だから、そういった曲をいまかけるために昔の曲のフレーズを新たに弾き直し、いまの気分で再構築しました」。

 さらに、今作は2曲のカヴァー曲も収録。ひとつはレゲエの超名曲、ウェイン・ワンダーの“No Letting Go”を本人参加のもと完遂し、前述のズンドコ・ヤーマンとはまたひと味違うレゲエとトライバル・ハウスとの融合を見せている。そしてもう1曲は盟友GILLE、そしてSHINJI TAKEDAとの“Have A Nice Day”で、ここではなんとジュリアナ時代のアンセムを昇華。

 「これは昔からやりたかったんですよ。実はジュリアナ時代の曲って、僕の楽曲のエッセンスのひとつでもあって。あのテンションとわかりやすさはいまの時代にも通用する、若い人にはとりわけ新鮮だと思うんです。この曲は“A.T.W!”に次ぐ、僕のパーティー・アンセムになると思います」。

 毎週末、国内外のクラブ、そしてフェスを飛び回るDAISHI DANCE。それだけにフロアでの音楽の機能性を誰よりも熟知し、そのリテラシーを元に新たなサウンドを生み出していく。

 「世界のヘッドライナーたちが新たなトレンドを作っていくなかで、僕は僕なりのオリジナリティー――DJとして通過してきた自分のなかでの定番のダンス・ミュージックのスタイルをトレンド感と合わせ、いまのセットでプレイできるような曲を作る。その結果が今回のアルバムであり、自分の新しい個性になっているんだと思います。長いブレイクが中心で似ている構成のフォーマットが多いEDMに対してハウシーに作っているので、ハイブリッドで使い勝手がいいというか、ミックス相性もいいかなと思ってます」。

 〈GEKIMORI〉とは彼がDJを始めた当初から使ってきた、いわば彼の代名詞的なワード。それを冠にした今作にはDAISHI DANCEのいま、そして歴史が詰め込まれ、日本がこれから向かう新しきDJフェス・ムーヴメントの幕開けを彩る、大きな指針となる一枚になっている。       
 

▼『GEKIMORI』に参加したアーティストの作品を紹介

左から、HOKTの2012年作『X-RAY』(HOOD SOUND/Village Again)、DJ PMX×YOUNG DAISの2014年作『THE MOMENT』(HOOD SOUND/plusGROUND)、マット・キャブの2013年作『ONGAKU』(ワーナー)、ウェイン・ワンダーの2012年作『My Way』(Singso)、GILLEのニュー・アルバム『TREASURES』(ユニバーサル)

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▼DAISHI DANCEの近作

左から、2012年作『WONDER Tourism』、2013年のミックスCD『MYDJBOOTH.3』、2013年作『NEW PARTY!』(すべてユニバーサル)、2013年のカヴァー集『the ジブリset 2』(urban sound project.)、2014年のミックスCD『EDM LAND』(ユニバーサル)

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