コラム

DRKWAV、メデスキ・マーティン&ウッドのメデスキらオルタナティヴ音楽のヴェテランたちが醸すダークネス・サウンド

DRKWAV、メデスキ・マーティン&ウッドのメデスキらオルタナティヴ音楽のヴェテランたちが醸すダークネス・サウンド

 1990年代後半、ロック・バンドのPhishらを中心に、かつてのGreatful Deadの系譜を継ぐ、Jam Bandという音楽潮流があった。ロック、ポップスのみならず、インプロヴィゼーションを中心としたインスト・グループも多く存在し、メデスキ・マーティン&ウッドギャラクティックソウライヴチャーリー・ハンター(g)らが活躍した。彼らはライヴ会場での録音を、オーディエンスに開放した。MP3や高速インターネット接続の普及に伴い、大学生ら若い世代を中心としたファンの間でのネット上のファイル交換や、口コミでの人気が拡大する。全米の大学がある都市を中心としたカレッジー・サーキットを中心に、かつてない多くのリスナー層を獲得した。このムーヴメントは2000年代半ばぐらいまで継続したが、ダウンロード配信の浸透により徐々に鎮静化、いくつかのグループは確固たるファン層と共に、新たなリスナーを獲得しつつ、現在も活動を展開している。

DRKWAV The Purge Royal Potato Family Records(2015)

 今やヴェテランの域に達しつつあるメデスキ・マーティン&ウッドのジョン・メデスキ(p,org,kb)、シアトルと拠点としたクリッターズ・バギンを中心に多くのセッション・シーンでも活躍してきたスケーリック(sax)と、ジョン・スコフィールド(g)のウバー・ジャム・バンドレタスでタイトなビートを叩き出している中堅のアダム・ダイチ(ds)を中心に結成されたのがDrkwavである。ダイチのオルガニック・ドラムンベースのビートの上で、メデスキがダークなサウンド・カラーリングを載せフリーキーなソロをとる。スケーリックのサックスが重層的に絡み、闇を切り裂き咆哮する。90年代半ばにトニックやニッティング・ファクトリーで展開されたニューヨーク・アンダーグランドのオルタナティヴ・ミュージックが20年の時を経て、現代の方法論で復活した。さらに深化したこのサウンドが、何処へ向かうのか、注目される。

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