ジ・インターネット『Feel Good』への参加や、H&MのCMにシュギー・オーティスのカヴァーを提供するなど、活動の幅を広げているユナ。この2年ぶりの新作は自主レーベルからのリリースで、英詞の表題曲を除き、すべてマレー語で歌うという母国のファンへ向けた一枚になった。その表題曲で歌われているように、成功による栄誉やプレッシャーを経てルーツを見つめ直す……といった意味もあるのだろう。とはいえ、アコギの清涼感と人懐っこくて温かい歌メロが混ざり合う“Cautan”、美しいオーケストラを配したスロウ“Bicara”、今様のアンビエント風情も薫る“Sayang”ほか、これまでに培ってきたものがすべて反映されている。風通しの良さや凛とした歌声など、彼女ならではの魅力に満ちた充実盤だ。