記念すべきレーベルの第1弾は、まず一般的な構成の歌モノを作曲し、その後ヴォーカル・パートを消して、分解&再構築することで作られた異形の作品。ダンテ〈神曲〉をモチーフに3部構成で天国から地獄への流れを描いているため、後半のエクストリームな展開が強烈。 *金子
Joseph Nothingとドラマーの吉川弾によるユニットは、ファンキーな生ドラムとスラップ・ベース、アシッドなシンセとヴォコーダーによって、ロックとテクノを横断するフューチャリスティックなダンス音楽を生み出した。作品のテーマは〈人はどこから来たのか?〉。 *金子
nobleやドイツのオンパでリリースを重ねてきた、エンジニアとしても引っ張りだこのトラックメイカー。ノイズも繊細な電子音も自在に操るエディット技を披露してきた彼だが、ここでは静寂をも味方につけ、ピアノ一台で自身のシネマティックなメロディーを探求している。 *土田
分解系の主宰者による初のCD作品は、明確な物語性を伴う一枚。〈生命の樹〉と〈悪の樹〉の狭間に存在する現実世界――そこで魔法少女が体験する喪失と希望を描いた全15曲/79分は、次々と表情を変化させるビート上に透明なアンビエンスが降り注ぐ、幻想的なエレクトロニカ集だ。 *土田
映画「星空 Starry Starry Night」のサントラ。美しく優雅なストリングスやピアノが基調となり、時に優しく、時に切ないメロディーが少年少女の物語をふんわりと包み込む。湯川潮音が2曲で客演し、艶のある歌声で作品を彩っているのも見逃せない。 *金子
ファットキャットからの登場時は〈マイブラ×ジザメリ×MERZBOW〉と評された鬼才による10年ぶりのCD作品。金属質のノイズにどっぷり浸かっていつつ、なぜかセンティメンタリズムが押し寄せる歌謡ナンバーに戦慄! 途轍もなくスウィート&グルーヴィーな阿鼻叫喚盤だ。 *土田
実兄であるworld's end girlfriendがプロデュース、COM.Aがミックスという盤石の布陣で制作された、ファンタジックかつパンキッシュなエレクトロニック・ミュージック。その突き抜けたポップさはレーベル中でも1、2を争うと言えよう。リミックスではSerphも参加。 *金子
北欧勢にも通じる透徹したエレクトロニカ~ポスト・クラシカルで人気のデュオの2作目。打ち込みのリズムは控えめに、物憂げなストリングス/ピアノの響きと消え入りそうに儚い女声/ノイズが紡ぐサウンドスケープは、深く沈み込むようなロマンティシズムを湛えている。 *土田
コンセプチュアルな作風はスケール感を増し、2作目は2枚組に。〈人類が観測し得る宇宙〉〈超新星の残骸〉〈星の一生と死〉と遷移する深遠な音響空間のな かに、冷ややかなエモーションを浮かべている。編集的に配置されたやなぎなぎと門脇舞衣の歌/朗読もイマジナリーな詩情を高めていて◎。 *土田