KOWICHIの〈SHOW & PROVE〉
2001年に相棒D.u.gと結成したenmakuで2008年に初音源となる『The SCREAM』を発表して以来、ホームの川崎を中心に奮闘を続けてきたKOWICHI。デュオでのセカンド・フル・アルバム『WE ARE FRESHENER』を発表してからはソロ活動に本格移行し、さらに表現の幅を広げて現在に至っている。配信も多いため数多い客演をここではすべてを掲載できないものの、『SheCRET』にも繋がる最低限の重要作と本人のソロ作を紹介しておこう。
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DJ PMXにプロデュースを仰いだパワフルな所信表明チューン“SHOW & PROVE”をはじめ、力の入った楽曲が並ぶ初のソロ・アルバム。いわゆるウェッサイ的なグループの見え方以上にメインストリーム寄りの志向を具体化すべく、『SheCRET』でも組むJIGGらがビートを提供している。GIPPERとDJ TY-KOHとのエロ曲もすでに。
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前年のミックスCD『EMEK』にシャウトで参加したのに続き、ここではNyike Rovinzも交えて“WILL YOU STAY”にフィーチャーされている。同年にはDJ SPACEKIDと組んでミックスCD『CONFIDENTIAL CHEESE』を投下し、シングル“FLOWER”と『CAKE UP: THE EP』 をWESTAHOLICから配信。
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SEEDA,DJ ISSO,DJ KENN CONCRETE GREEN THE CHICAGO ALLIANCE CONCRETE GREEN/Pヴァイン(2014)
SEEDAとDJ ISSOによる人気ミックスCDシリーズの復活にあたって、KOWICHIは2曲で参加。マリー・ボールアウトがフックを歌う“Lotta M's”ではYAN-MARKと共に余裕の語りを聴かせ、TY-KOHが盛り上げる5MCのサイファー曲でも多彩な面々を相手に貫禄のボーストでトリを飾っている。
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文句ナシの傑作となったセカンド・アルバム。川崎の血を感じさせるイントロ“COME BACK”から気合いの入った曲が並び、特にZOT on the WAVE製の“ROLL UP”やDJ RYUUKIとの表題曲、愛車を駆る“Ninja”などハードなフロア・バンガーがどれもやたらかっこいい。一方でギャル噺や心情を吐く“忘れてたい”などトピックも多彩。
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『SheCRET』では冒頭から“Real Talk”でエロ系〈あるある〉を披露する通称ヤンハスは、このたびTY-KOHも交えてFLY BOYを興すことになった盟友。こちらの最新作では“K-Town Sunday”ではKOWICHIが駆けつけており、他にも4曲をZOT on the WAVEが制作するなど『SheCRET』に通じる部分は多い。
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enmakuのリミックスにKayzabroが登場したり、DJ PMXのソロ名義曲“My Beauty Queen”や“At The Party(REMIX)”にKOWICHIが招かれてきた経緯を踏まえ、久々に本隊から出たこのアルバムでも“It's Going Down”にKOWICHIが抜擢。TPOを弁えたオトナっぽさもあるクラブ・チューンに。
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愛知のトラックメイカーが幅広いゲストを招いて作り上げたファースト・アルバム。KOWICHIは“-Water-”のZEUSとB-ninjahも参加したリミックスで一番マイクを担当し、シリアスに自分自身の心を見つめ直すかのような語りを聴かせる。『SheCRET』収録の“十年後”にも直結する率直さが光る一曲だ。
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『SheCRET』に弾みをつけることとなったTY-KOHとのミックスCD。前年に配信で連続ヒットしていた“BOYFRIEND #2 REMIX”と“LYNE”を看板に、新作への橋渡しとしては豪華すぎるエクスクルーシヴが並ぶ。ボートラはTRIGA FINGAとRUEEDを迎えた“BOYFRIEND #2”という、TY-KOHらしいおもてなし。
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静岡のホープによる初の正規フル・アルバムで、何度も共演してきたKOWICHIも“Let's Talk About Me”に駆けつけている。同曲を手掛けているZOT on the WAVEの仕事では、YOUNG HASTLEとDOGMA客演のトランシーな“Rolling Stones”がヤバい。『SheCRET』で腕をふるうMOITO、TY-KOHの参加も!