先月、MikikiでもニューEPの情報を紹介(※記事はこちら)したばかりのジューク/フットワーク・シーンの王者、DJラシャドが4月26日にこの世を去りました。第一報では彼の死因がオーヴァードーズによるものという情報が出回っていましたが、足の血栓が原因の病死のようです。音楽に携わる仕事をしている人間としてアーティストの訃報にはいつも胸を痛めますが、彼の早すぎる死はこれまで以上にグッサリと大きな爪痕を残したように思います。また1人、素晴らしい才能が天に召されてしまいました。

今年1月に東京・代官山UNITなどで行われたハイパーダブの10周年パーティーに伴って、待望の初来日を果たしてくれたラシャド。大好きなレーベルのお祝いに、ラシャドまで! 自分ももちろん遊びに行きました。

ダブステップからスタートした名レーベルの現在位置を示す多様なアクトが出演したこのパーティーにおいても、ラシャドの存在感はさすがに別格。所謂テクノハウスを主としたクラブ・リスナーのみならずヘッズたちもたくさん詰めかけて、常にぎゅうぎゅうだったUNITのフロアがジューク・シーンに君臨する彼への期待度とその人気の高さを窺わせていたヒップホップジャングル、広域のベース・ミュージックまで猥雑なビートを飲み込んだダーティーなのにソウルフルなサウンドと、想像するしかなかった本場さながらのゲットー感がここ東京にも降り注いだかのような(?)、フロアでのフットワーク・バトルにもそんな錯覚を感じ、本当に刺激的で最高な一夜でした。

まだまだまだまだ、この先の活躍を期待していただけに残念でなりません。彼を偲び、いくつかの音源/映像をまとめたいと思います。

 

4月29日に〈Boiler Room〉で行われた追悼イヴェント〈A Tribute to DJ Rashad〉のアーカイヴ映像が公開されました。まずは、ハイダブ主宰でラシャドを気に入りまくっていたコード9のDJセットから。

コード9が着ているTシャツは、ラシャドのトラック↓のものですね…。

 

ハイダブ10周年パーティーでも競演したレーベルのクールな才女、アイコニカ

 

アディソン・グルーヴも。ジューク・アンセムと化した彼の“Footcrab”をラシャドがリミックスしたり、タイトルそのままのアシッディーなトラック“Acid Bit”を共作したりと、絡みが多かった2人です。

 

ラシャドが登場しているDJセットのアーカイヴ映像。

 

追悼の映像やミックス音源も、日に日に増えていますね。

 

最後に、ラシャドの最新EP『We On 1』と彼の名トラックや参加曲を。
ご冥福をお祈りいたします…。