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OKI DUB AINU BAND、アイヌが継承してきた歌=伝統文化をリズムで表現しさらにレヴェルアップした新作『UTARHYTHM』

OKI DUB AINU BAND、アイヌが継承してきた歌=伝統文化をリズムで表現しさらにレヴェルアップした新作『UTARHYTHM』

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仲間をつなぐ律動

 もう6年弱も前になるのか。OKI DUB AINU BANDの『サハリン・ロック』を初めて聴いた瞬間、血が逆流するような興奮に襲われたあの感覚は今もリアルにカラダが憶えているのだが、それを更に上回るような作品を作ってくれるとは。一昨年の夏にネット販売された曲《Suma Mukar》(この新作にも収録)がめちゃカッコよかったので期待はしてたのだが、さすがOKI。待った甲斐があった。太くマッシヴな音、微妙な角度で揺れながらも疾走し続けるビート、と同時に素晴らしく抜けが良く、宙を舞っているような軽やかさがある。個々のアレンジの練り込みとサウンド・プロダクション全体の慎重な彫琢ぶりが一聴してすぐにわかる。確実に、また一段レヴェルアップした。

OKI DUB AINU BAND UTARHYTHM Chikar Studio/Tuff beats(2016)

 タイトル『UTARHYTHM』は、アイヌ語で仲間を意味する「UTARI」に「RHYTHM」をつなげたOKIの造語らしいが、そこには、アイヌが継承してきた歌=伝統文化をリズムで表現する、あるいは、仲間とリズムを共有したいという思いが込められているはずだ。トンコリ/ギター/歌担当のOKI以外のメンバーは、居壁太(トンコリ/コーラス)、沼澤尚(ドラム)、中條卓(ベイス)、内田直之(エンジニア)までは前作と同じで、パンデイロ魔人マルコス・スザーノも前作に引き続きゲスト参加しているが、キーボードがエマーソン北村からHAKASE-SUNフィッシュマンズリトル・テンポ川上つよしと彼のムードメイカーズ)に交替している。そしてそのキーボード(オルガン)が奏でる温かくもどこか未来的な音色こそが、オーガニックな心地よさと鋼のような逞しさが絶妙なハーモニーを奏でる今作の重要な鍵になっているように私には感じられる。HAKASE-SUNに殊勲賞を。あと、毎度のことだが、ジャケット・デザインの素晴らしさも忘れてはならないだろう。ヴィジュアルを含めてのトータル表現という点においてもOKIは決してスキを見せない。

 


LIVE INFORMATION

“UTARHYTHM” 発売記念 LIVE
○3/5(土)18:00開演
会場:渋谷 CLUB QUATTRO
www.club-quattro.com/shibuya/
 

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