般若、SHINGO★西成に続く昭和レコード第3のアーティストとして、ZONE THE DARKNESSから名を改めて発表された移籍第1弾作。彼をレーベルに誘った般若が直々にエグゼクティヴ・プロデューサーを務めた痕跡は、客演MCなしという構成や、〈伝えること〉を主とした率直なスタイルに窺える。とりわけSAYの柔らかな歌唱をフィーチャーした“Life goes on”は、今作ならではの成果か。かつてステージに重ねた夢を現実にしていく心情が、アコギがループするセンティメンタルなトラックに映る。目の前のチャンスに手を伸ばしたいま、過去を振り返り〈10年待った〉と歌うPUNPEE製の“Get a chance”もその思いを露わにするもの。〈暗い闇を抜けて〉新たなスタートに臨む本作に相応しい幕切れだ。