テレビで番組を観ている途中に、あるいはスマホで動画を観ているときに流れてくるCMの数々。そんなCMには、映像を彩り、視聴者の心を瞬時で掴む音楽が、なんといっても付き物。誰が歌っている、なんというタイトルの曲なのか、気になることが多いのではないだろうか? しかし、一瞬流れるだけのCMソングのことが気になっても、その多くはアーティスト名や曲名をじっくりと調べてみないとわからない……。そこで、今回は、注目を集めるCMタイアップ曲をピックアップしてご紹介!
Apple〈学生にMac〉
LANA “BASH BASH (feat. JP THE WAVY & Awich)”
実兄であるラッパーのLEXの勧めで制作した音源がネット上で話題を呼び、2022年のシングル“FLAME (feat. LEX, Saru jr.Fool & taisyov)”で現在のアーティスト名でのデビューを果たした神奈川出身のフィメールラッパー、LANA。
今回MacのCMに起用された“BASH BASH”では、同じく神奈川出身のラッパーで、ダンサーとしても活動するJP THE WAVYと、〈ヒップホップ界の女帝〉と称される沖縄出身のラッパー、Awichをフィーチャー。この曲は、10代最後となる〈19〉をタイトルに掲げ、2023年に配信リリースされた自身初のEP『19』に収められている。
『19』は、ヒップホップやR&Bはもちろん、ポップスや演歌、沖縄民謡など様々な音楽に触れてきたLANAならではのジャンルレスなセンスが光る楽曲が収められた作品だ。
サントリーホールディングス〈ザ・プレミアム・モルツ『いい日、プレモル。大事な後輩』篇／『いい日、プレモル。蕎麦屋』篇〉
Tani Yuuki “In The Mood × W/X/Y”
2024年2月24日から放送されているサントリーホールディングスのCM〈『いい日、プレモル。大事な後輩』篇〉では、大泉洋が後輩俳優のステージを鑑賞し、いい仕事をした後輩たちをねぎらうため、ザ・プレミアム・モルツで乾杯。一方の〈『いい日、プレモル。蕎麦屋』篇〉では、広瀬すずが平日の蕎麦屋を訪れ、休日の昼間から飲む至福の一杯を満喫、「これぞ大人」とつぶやくと隣の席に座っていた浅野和之が「ようこそ大人へ」と声を掛ける。
そんな映像のバックで流れるのは、誰もが知るスウィングジャズのスタンダード“In The Mood”と、シンガーソングライターのTani Yuukiが2021年に発表したラブソング“W/X/Y”をマッシュアップした“In The Mood × W/X/Y”。“In The Mood”の軽快なテンポに、Tani Yuukiの歌声が重なり、日々の幸せを楽しむ時間を感じられるような楽曲に仕上がっている。
なお“W/X/Y”は、Tani Yuukiのファーストアルバム『Memories』（2022年）に収録されている。
資生堂〈SHISEIDO BEAUTY WELLNESS「からだから、こころから、はだになる」篇／「美しい、は生きている」篇〉
あいみょん “リズム64”
一人ひとりの自分らしい健康美を実現するインナービューティーブランド〈SHISEIDO BEAUTY WELLNESS〉のCM。ブランドミューズには、清野菜名と市川実日子が起用された。2人が自身に問いかけていく姿を通して、人の美しさとは外見のことだけでなく、肌・身体・心の調和が取れている状態こそが健康的で美しいのだと伝えている。
CMに起用されたのは、これまで数多くのドラマや映画の主題歌を書き下ろしてきた、あいみょんの“リズム64”。意外にも、CMソングを書き下ろしたのは今回が初めてとなる。2月2日に配信リリースされた“リズム64”は、〈美しい、は生きている〉というブランドコンセプトに沿って制作され、何かを選びながら進む人生を歌う一曲だ。
東海旅客鉄道〈JR東海「いこう。待ってる人がいる。」篇〉
ハナレグミ “会いにいこう”
岩崎太整が作曲、UAが歌唱を担当し、2023年に刷新された東海道新幹線の車内チャイム“会いにいこう”。東海道新幹線を利用したことがある人には、すでに耳なじみとなっているであろう。
今回、〈うれしいのは、きっと、会いにいくほうだけじゃない。〉というメッセージが込められたCM〈「いこう。待ってる人がいる。」篇〉に起用されたのは、mabanuaがアレンジを手掛け、ハナレグミが歌唱を担当した“会いにいこう”の新バージョン。思わず駆け出したくなるようなテンポと、耳心地のよい爽やかなトーンのナンバーに仕上がっている。
CMには、2024年1月から放送されているNHK大河ドラマ「光る君へ」で主演を務める吉高由里子が出演。吉高のチャーミングな歌声にも注目だ。
TOYOTA〈ヤリス「DANCE WITH YARIS 篇」〉
tofubeats × UA、石野卓球、PUNPEE “MONKEY MAGIC - YARIS SERIES Original remix”
意のままに。好奇心のままに。本能のままに。あなたの自由を解き放つ。全ての瞬間が〈いちいち気持ちいい。〉。そんなヤリスシリーズの3車種を紹介するCMが1月31日からオンエアされている。CMに出演するのはMiyu、KENSEI、HIRO10という3人のダンサー。彼らのパフォーマンスに合わせてCMを彩るのは、ゴダイゴの“Monkey Magic”のカバー。
オリジナルの“Monkey Magic”といえば、78年12月にシングルとしてリリースされ、堺正章や夏目雅子らが出演したドラマ「西遊記」シリーズの主題歌としてドラマとともに大きな注目を集めたヒット曲。そんな楽曲のアレンジを手掛けたのは、tofubeats、石野卓球、PUNPEEだ。tofubeatsとUAの共演に耳を奪われ、石野、PUNPEEによるアレンジに思わず身体が動き出す、〈気持ちいい〉カバー曲に仕上がっている。
