STRAIGHT OUTTA COMPTON
いよいよ自宅でコンプトン! 舞台裏を暴く(?)ドキュメンタリーも出る!
音楽アーティストの伝記映画としては過去最高の興行収入を上げるヒット作となり、2015年のアメリカ映画を代表する娯楽大作となった「ストレイト・アウタ・コンプトン」。故イージー・Eを中心にドクター・ドレー、アイス・キューブらが結成した西海岸のラップ・グループ、NWAの栄光と離散、その後までを描き、日本でもリイシューなどと併せて盛り上がったものだが、そんな重要作がいよいよBDとDVDのセットでソフト化される。
物語の詳細は昨年末のbounceでも紹介している通りだが、本作の最大の魅力は青春映画の常道を行く実話ベースの物語と、音楽映画として最高のアグレッシヴなパフォーマンスを用意して臨んだことだろう。今回のソフト化にあたっては、そんなライヴ・パフォーマンス部分の未公開パートが特典収録されているのが嬉しいところ。もちろん、監督インタヴューやメイキング、NWA自体の解説を補足するコンテンツも充実していて、本編を劇場でチェックした人も持っておきたい内容となっているはず。なお、サントラもこのタイミングで日本盤化されるので、序盤で印象的に使われるロイ・エアーズ・ユビキティの“Everybody Loves The Sunshine”などの劇中曲も楽しみたい向きはぜひチェックを。
さらに、映画の公開を踏まえて製作されたドキュメンタリー「N.W.A & EAZY-E: キングス・オブ・コンプトン」もDVD化。〈真実を暴き出す!!〉という煽りこそスキャンダラスながら、中身はイージー周辺の人物による証言を中心にイージーの歩みを追った真っ当なドキュメンタリーだ。あっちでは無視されていたアラビアン・プリンスをはじめ、キューブとDJイェラ、未亡人トミカも登場。結成に大きな役割を果たしたスティーヴ・ヤノの貴重な証言や、(ドレーにとっての)三大悪ことロンゾとジェリー・ヘラー、シュグ・ナイトのコメントも収録している。勝者目線の〈物語〉では見えない事実を別の角度から知る手掛かりにもなるが、そうでなくてもフリオGやリズムD、コケインらの語るイージーの姿がイキイキしていて、妙に嬉しい。