GOT A STORY TO TELL
史上最高の音楽伝記映画は、いまもっとも危険なエンターテイメント大作だ!!
全米興行収入では3週連続のNo.1を記録し、話題作だった「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」のオープニング興行収入をも抜き去って、もはや社会現象となった映画「ストレイト・アウタ・コンプトン」。NWAの〈真実の物語〉を描いたこの作品は、エミネムが主演した大ヒット映画「8 Mile」(2002年)のアメリカでの累計興行収入をたった3週間で超え、上映初日の14日と翌15日だけで、音楽の伝記映画としてのオープニング成績も「8 Mile」を抜く史上最高額を叩き出している。
のみならず収益の累計では、すでに故ジョニー・キャッシュの伝記映画「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」の累計額を上回り、音楽アーティストの伝記映画としては過去最高の大ヒット作となっている。そして、11月には世界での累計興行収入が2億ドル(およそ242億円!)を突破したことが伝えられ、全米の興収ではこれまでのキーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ監督による「最終絶叫計画」(2000年)の記録を塗り替えて、アフリカ系アメリカ人監督による史上最高の記録となった……。そのうえ、映画レヴューサイトの〈Rotten Tomatoes〉では90%の評価を獲得し、いわゆるアーティスト映画、音楽映画という枠を越えて、純粋に映画としても高く評価されているようだ。
ここまで満場一致だと、その実体はいかなるものか?という思いも生まれるだろうが、百聞は一見に如かず。日本公開が決まる前から待望されていた一作がいよいよ日本上陸を果たした……。
イージー・E、ドクター・ドレー、アイス・キューブ、DJイェラ、MCレン——「ストレイト・アウタ・コンプトン」は、彼らがNWAを結成してからの、成功への道のりと挫折、得た名声とその代償、権力や偏見、差別との闘い、裏切り、そして友との別れ……その知られざる物語を描き出す。映画の枠を超えたドラマは観る者すべての胸を熱くするに違いない。
出演者はすべてオーディションで選ばれたというが、特筆すべきはアイス・キューブを実の息子オシェイ・ジャクソンJrが演じていることだろう。彼の熱演をはじめ、次世代の俳優たちが伝説となったグループの一挙手一投足をまさに体現する姿にも注目だ。グループのマネージャー役には演技派俳優のポール・ジアマッティが扮し、監督を務めるのは実際のメンバーと親交のあった「交渉人」のF・ゲイリー・グレイだ。そして製作にはNWAメンバーだったドクター・ドレーとアイス・キューブ、イージー・Eの未亡人であるトミカ・ウッズ・ライトが名を連ねている。メンバーのMCレンとDJイェラも監修に携わり、まさにオフィシャルな伝記作品と呼ぶに相応しい内容となっているのだ。
1986年、麻薬売買が横行する全米指折りの危険な街、カリフォルニア州のコンプトン。警察の取り締まりが激化し、黒人というだけで容赦のない制裁を加えられる状況が横行していた。そんな環境下でギャングになり、銃という武器を手にする若者も増えていくなか、NWAのメンバーたちは音楽、ラップという武器で不当な権力に立ち向かったのである。やがて彼らの楽曲はFBIにまで目をつけられるようになり、〈世界でもっとも危険なグループ〉と称されるようになった。そんな彼らの間にもやがて亀裂が生じていき……。いまなお多くのアーティストに影響を与え続ける伝説的なユニットの姿を、衣装/美術にこだわり抜いた80年代コンプトンと若者たちの姿を、そして役者たちが実演した圧巻のライヴ・シーンを、いま体験せよ!
「ストレイト・アウタ・コンプトン」
1986年、アメリカのもっとも危険な街コンプトンで暴力的なほどにストレートなリリックをハードコアなビートにのせ、日常に感じるフラストレーションと怒りを吐き出していた5人の若者たち。彼らにとって音楽と才能は最大の武器だった——。リリック、プライド、虚勢、そして才能という武器で戦う反逆者たちが、自分たちを抑圧する権力者たちに立ち向かい、世界でもっとも危険なグループといわれたNWAを結成するに至った真実の物語を描いた作品だ。誰も声を上げることのなかった真実と、スラム街での日常を赤裸々に語った彼らの叫びは社会現象を巻き起こし、いまなお多くのアーティストらに影響を与え続けている。
【製作】F・ゲイリー・グレイ、ドクター・ドレー、アイス・キューブ、トミカ・ウッズ・ライト
【監督】F・ゲイリー・グレイ 【脚本】ジョナサン・ハーマン、アンドレア・ベルロフ
【出演】オシェイ・ジャクソンJr(アイス・キューブ)、コーリー・ホーキンス(ドクター・ドレー)、ジェイソン・ミッチェル(イージー・E)、ニール・ブラウンJr(DJイェラ)、オルディス・ホッジ(MCレン)、ポール・ジアマッティ(ジェリー・ヘラー)、マーロン・イエーツJr(DOC)、R・マルコス・テイラー(シュグ・ナイト)、カーラ・パターソン(トミカ)他
■2015/アメリカ/147分/シネスコ/デジタル/原題:Straight Outta Compton
■12月19日(土)より渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国公開
■配給:シンカ、パルコ ユニバーサル映画
(C) 2015 UNIVERSAL STUDIOS