【特集】ストレイト・アウタ・コンプトン
その街に渦巻いていたのは、暴力と犯罪、理不尽と非常識、そして音楽と青春だった――コンプトンから時代を作ったNWAの歩みを話題作の公開と共に追体験しよう!
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★Pt.3 ディスクガイド:NWA史を彩る重要作、一気にイクぜ!(2)はこちら
★コラム〈映画「ストレイト・アウタ・コンプトン」が遂に日本上陸、NWAの知られざる物語と圧巻のライヴ・シーンを体験せよ!〉はこちら
★イヴェント・レポート〈丸屋九兵衛×DJ Couzが秘話明かしまくった映画「ストレイト・アウタ・コンプトン」公開記念イヴェント@渋谷タワレコ〉はこちら
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NWA史を彩る重要作、一気にイクぜ!(1)
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NWAのアルバム・デビュー直後に登場した、首謀者イージーのファースト・ソロ作。映画でも初めてラップにトライした楽曲として描かれていた“Boyz-N-The Hood”のリミックス・ヴァージョンや、後にDJクイックらがカヴァーした“Eazy-er Said Than Dunn”など重要なクラシックが並び、やや一本調子気味なカン高いイージーのラップを要所でMCレンが好アシストしている。 *Masso
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ARABIAN PRINCE Innovative Life: The Anthology 1984-1989 Stones Throw(2008)
映画では存在が消されているNWAオリジナル構成員のアンソロジー。キューブに先駆けてギャラの問題から離脱するのだが、本当に〈音楽性の違い〉も大きかったのは本作を聴けば明らか。オールド・スクールなエレクトロを貫いた姿はディプロ以降の価値観で再評価を受け、M.I.A.とも仕事するに至っている。NWA以前も以後も変わらぬイノヴェイティヴな宇宙サウンドを体感してほしい。 *出嶌
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NWA準構成員で2枚のアルバムにも裏で貢献した、才能豊かなダラス出身ラッパーのソロ作。この時期のドレーが関わったなかではもっともストレートなフロウを聴かせ、後にスヌープもリメイクした“It's Funky Enough”で冒頭から不敵に迫る姿はカッコ良すぎる。この声でラップできたのは本作きりとなるが、以降もドレーの去就に大きな影響を与えていくのは映画でも描かれた通り。 *出嶌
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映画ではガン無視されていたが、WCWCからデス・ロウ期までドレーに従ったシンガーで、彼との間には息子も授かっているミシェレイ(後にシュグ・ナイトと結婚!)。19歳で発表したこの処女作は、アッパーな“No More Lies”やブラコン作法のスロウ“Something In My Heart”など硬軟自在な名唱を量産した一大ヒットに。ドレーにとっても甘苦い思い出のR&B仕事といえるだろう。 *出嶌
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エレクトロ時代からコンプトンで活動するNWAの同期生的なラッパーで、86年の“Payback's a Mutha”からストリート作法のスタイルを模索していた、過小評価も甚だしいOG。DJプーの制作したこの初作を発表後、NWAを離れたキューブと急接近し、やがてドレーの誘いでアフターマス入りすることに。 *出嶌
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NWAの成功を受けてプライオリティが次々に青田買いしはじめたラップ・アクトのひとつ。アイス・Tの盟友DJアラディンが新進のWCを従えたデュオで、この唯一のアルバムはまだNYの影響下にありつつもヘヴィーな独自性を放つ楽曲だらけ。WCの拳骨フロウはこの後リンクするキューブにも通じる。 *出嶌
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当時破竹の勢いだったパブリック・エナミー~ボム・スクワッドとNYで完成させたソロ・デビュー作。そもそもドレーが音作りを参照していた連中のため違和感はまるでなく、緻密にして豪快なサウンド・ボムを従えて暴れ回るキューブも水を得た魚のよう。丸ごとNWAから持ち去ったブラック・パンサー的な闘士のイメージもあってか、日本でも例外的に高評価だったのを思い出す。 *出嶌
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NWAの準メンバーだったレイロウの後見するグループの初作。この後NWAの『Niggaz4life』にも助力しているが、そこでのマフィアを気取った無法者のイメージはもともと彼らのものだろう。ドレーに代わって後のルースレスを支えていく才人、コールド187umのビートは粘っこいファンクネスを湛えている。終曲でイージーとドレー、レンが集結するのもこの時期のルースレスならでは。 *出嶌
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NWA以前からの付き合いとなるサー・ジンクスらと組んだ自身のチーム、レンチ・モブ主導で作り上げたセカンド・アルバムは、〈死〉と〈生〉の2つのサイドに分けたコンセプチュアルな作風や、古巣をディスした“No Vaseline”などの過激さを増したリリックが大きな話題に。PファンクやJBなどファンク系サンプルを贅沢に用いたトラックと暴走するラップがジャスト・フィット。 *Masso
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映画「ストレイト・アウタ・コンプトン」にはラップ指導として関与した西の重鎮が実弟DJクレイジー・トゥーンズらと組んで発表した忘れがたきブツ。一員だったクーリオもラップした表題曲、キューブ、MCエイトら参加の“You Don't Work, U Don't Eat”あたりが人気か。 *Masso
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NWA消滅を経てやっと出番が回ってきたMCレンのソロ・デビュー作で、これは6曲入りのミニ・アルバム仕立てだ。持ち前の鋭利なファスト・フロウが時代のテンポに合わなくなっていったのは残念だが、やや減速しながら野太さをキープし、ボブキャットのシャープなビートを跨いで冴えたラップをに聴かせてくれる。この後はムスリムに改宗し、レーベルとも一線を引くことに。 *出嶌
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映画で示唆されていたようにDOCのサポートも受けつつ、無名ながらも有望な若手たちと作り上げたデス・ロウ移籍第1弾にしてクラシック。レイドバックしたサウンドはシーンの風向きを一気に変えるほどの内容となったが、ボトムでは『Niggaz4life』の延長線上にある粘っこいファンクネスが唸っている。 *出嶌
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サー・ジンクスやDJプーら手掛けるこれまでの流れを汲んだ怒涛のヘヴィーなファンクネスはビンビンに漂わせつつも、よりサウンドの幅を広げて、初の全米チャート1位も獲得したサード・アルバム。アイズレー・ブラザーズをサンプルした永遠の超名曲“It Was A Good Day”、DJマグス&ダス・エフェックスと合体した“Check Yo Self”などのヒット・シングルも生んだ。 *Masso
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新たにQDIIIが大きく制作に関与した4作目。ジョージ・クリントンを招いた“Bop Gun(One Nation)”や“Ghetto Bird”でのベタなPファンク使いから、“You Know How We Do It”や“When I Get To Heaven”の絶品なメロウ路線まで、いつも以上に絶妙な緩急がつけられている。スリリングな“Really Doe”やマッドなスロウG“Down For Whatever”あたりも良い。 *Masso
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表題が示す通り、デス・ロウとの交戦状態がピークにあった時期のミニ・アルバム。BGノックアウトとドレスタを従えて容赦なくディスの嵐を巻き起こすチープなGファンク大曲“Real MuthaPhuckkin G's”を筆頭に、“Boyz N Tha Hood(G-Mix)”など全体的にドレー・サウンドをあえて模倣した側面もあり。この後に出るフル・アルバムの予告編でもあったが、完成は叶わなかった。 *出嶌
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ドレーが監督したGなショート・フィルムのサントラ。主演のスヌープ人脈が並ぶなか、和解したドレーとキューブが数年ぶりにコラボした俗悪な鋼鉄ファンク“Natural Born Killaz”もギラギラと存在感を発揮している。ジョデシィやDJクイックの関与もあり、デス・ロウの無双ぶりと変容を記録した一枚だ。 *出嶌