INTERVIEW

ピーター・ビヨーン・アンド・ジョン、複数のプロデューサー迎えたよりコマーシャルな魅力溢れる新作『Breakin' Point』を語る

ピーター・ビヨーン・アンド・ジョン、複数のプロデューサー迎えたよりコマーシャルな魅力溢れる新作『Breakin' Point』を語る

深く考えることなく、ただ良い曲だけを作りたい! 3分間ポップの魔法を使って世界中を笑顔にしたい! 複数のプロデューサーを招いて限界点を超え、よりコマーシャルな魅力を手にしたイマの彼らは無敵だ!!

 お帰りなさい! 口笛ソング“Young Folks”でお馴染みの、スウェーデンのポップ・ロック錬金術トリオことピーター・ビヨーン・アンド・ジョンが、7枚目のアルバム『Breakin' Point』をリリースした。前作『Gimme Some』から何と5年ぶり。その間にピーター・モーレン(ギター/ヴォーカル)とジョン・エリクソン(ドラムス)の2人に子どもが誕生したりと私生活上の変化もありつつ、個々の課外活動が盛んだったため、〈もしや解散してしまうの!?〉とヤキモキしていた人も多いはずだ。しかし実際のところ、そんな危機はまるでなかったという。

 「どこまで行けるか、自分たちを試したかった。いっぱい曲を書いて、それよりさらに良い曲を作ろうとがんばったから、いつもより時間がかかってしまったね。アルバム一枚分くらいの曲をボツにしたんじゃないかな」(ビヨーン・イットリング、キーボード/ベース:以下同)。

PETER BJORN AND JOHN Breakin' Point Ingrid/HOSTESS(2016)

 具体的に彼らが理想とする〈良い曲〉とは、「ヴィヴィッドなメロディーを持ち、しっかりした構成のナンバー」だとか。

 「レディオヘッドみたいな長いステイトメントを提示するんじゃなくて、モータウンマイケル・ジャクソンのようにオールド・スクールな作品を作ることが目標だった。サウンド的には前作がギター、ベース、ドラムスだけに絞ったアルバムだったから、今回は逆にピアノやシンセ、シタール、ハープなどに向かった感じかな」。

 そして最大の変化が、複数のプロデューサーとの共同作業によってレコーディングした点だ。

 「最初からロックに強くて、かつポップなスタイルで既成概念を打ち破ってくれるプロデューサーを求めていた。意外にもほとんどの人が、そのどちらかしかできないんだよ。でもポール・エプワースはバンドをやっていたことがあったし、グレッグ・カースティンシンズなどを手掛けてロックもイケるってことを証明済みだよね。だから彼らと組んでみたんだ」。

 本作には他にも、FKAツイッグスラナ・デル・レイ作品で知られるエミール・ヘイニーサンティゴールドチャーリーXCX仕事も記憶に新しいパトリック・バーガーデヴェンドラ・バンハートワイルド・ナッシングをプロデュースしてきたトム・モナハンらが関わっている。ここ最近クリッシー・ハインドからコックンブルキッドプライマル・スクリームまで多数のアーティストの作品に関与してきたバンドとしては、外部スタッフとのケミストリーを自分たちの音源にも採り入れてみたかった、という感じだろうか。さらに「地元のポップメイカーによるオタクな集まりだよ」と語るイングリッドの設立によって、スムースなコラボ環境が整ったことも好影響を及ぼしているに違いない。

 歌詞の面では、舞い上がって天狗になっている成功者への警告ソング“Pretty Dumb, Pretty Lame”をはじめ、結成15年を超えた3人だからこそ書ける成熟したものが目立つが、サウンド・プロダクションに関しては瑞々しさが充満。表題曲では久方ぶりに口笛も飛び出している。

 「パンパイプを使おうかってアイデアもあったけど、あまり深くは考えず、結局は口笛でやることにしたよ。口笛って曲を作るのにとても良いツール。僕らとしては自然なことなんだ」。

 そう言われれば、どの曲からも口笛が聴こえてきそう。口笛で紡がれたメロディー――彼らの曲が若々しく聴こえるのは、そんな素朴かつ牧歌的な方法で作られているからかもしれない。

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