10月22日(土)、23(日)に東京・恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホール/ザ・ガーデンルームで開催される、ピーター・バラカンがオーガナイズするフェス〈Peter Barakan’s LIVE MAGIC!〉。サニー・ランドレスやジョー・バターンなどを紹介したPt.1に続き、今回も〈LIVE MAGIC! 2016〉に登場する吾妻光良と濱口祐自、高田漣、Reiが、バラカンみずから用意した出演者たちの映像を観ながら、各々のライヴの見どころを語り合った座談会のPt.2をお届けします!
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バンバンバザール
ギターの福島康之とウッド・ベースの黒川修を中心とするグッド・タイム・ミュージック・バンド。ストリート・ライヴ中に吾妻光良によって見い出され、94年に初アルバム『リサイクル』を発表。フォーク、カントリー、ジャズ、ジャイヴ、ラテン、ハワイアンなどのエッセンスを採り込みながら、懐かしくも微笑ましいアコースティック・サウンドを奏でるのが彼らの特徴。2002年から開催している自身主催の野外イヴェント〈勝手にウッドストック〉は夏の終わりの風物詩となっている。
ピーター・バラカン「皆さん、彼らのことはよく知ってますか?」
吾妻光良「私は彼らを教えました!! いやいや、もうよく知ってます。ギタリストでシンガーの福島くんもベースの黒川くんも、非常に才能のある方々です。本当にいい曲といい歌詞を書く。あれは私が吉祥寺に5万円の絨毯を買いに行ったとき、彼らが駅前で演奏しているのを観て。君らはいいバンドだ!と手元にあった5万円をそっと置いてきたことを憶えています」
バラカン「それって何年ぐらい前の話?」
吾妻「私がまだ32、3の頃でしたかね」
バラカン「そんな昔からやってるんだ!」
吾妻「でも福島くんにその話をすると、〈いえ、あのとき入れてもらったのは1,000円でした〉っていうんだけど」
一同「ハハハハハ(爆笑)」
吾妻「俺は5万円入れた覚えがあるんだよなぁ。5万円の絨毯じゃなく、実はタンスの下の板を買いに行ったんじゃないかという。そんなはずはないんですけどねぇ」
バラカン「彼らが主催する〈勝手にウッドストック〉に出たことは?」
吾妻「あります。ひどい目に遭いました! いやそんなことはない、ワハハ!」
高田漣「僕は今年出ます。もう断り切れなくて……冗談です(笑)」
吾妻「船から落ちないように気をつけてください」
バラカン「去年InterFMで〈BARAKAN MORNING〉をやっていたとき、事前に誰にも知らせず、現地で〈勝手にバラカン・モーニング〉をやったんです。月曜日の朝5時に起きて相模湖へ向かって。用意されていたステージで、お客さんが朝飯を食べながら僕らのトークを聴くという(笑)。会場まで船で行くんだけど、船から見える風景がまるで『地獄の黙示録』みたいなんですよ」
一同「ハハハハハハ(笑)」
バラカン「カンボジアの密林みたいで、マーロン・ブランドが待っていそうな感じがした」
吾妻「そうそうそう、絶対に襲撃される感じですよね(笑)。でもまぁそういうイヴェントをずっと主催している彼らはすごいですよね」
バラカン「Reiは彼らのことを知ってる?」
Rei「はい、〈RISING SUN ROCK FESTIVAL〉のイヴェント※で共演しました」
※8月13日に行われた〈IN THE MIDNIGHT HOURS “The Blues Is Alright”〉
JACK BROADBENT
イギリス北東部、リンカーン生まれの若きシンガー・ソングライターにしてユニークなスライド・ギタリストであるジャック・ブロードベント。ミュージシャンである父親の影響で、小さい頃からジョン・リー・フッカーやピーター・グリーン、ジミ・ヘンドリックス、ロバート・ジョンソン、そしてクロズビー・スティルズ・ナッシュ&ヤングなどを浴びながら育つ。ウィスキーボトルをスライド・バー代わりに使用する強烈なギター・プレイは、今年の〈モントレー・ジャズ・フェスティヴァル〉でも注目の的となった。
濱口祐自「お~、この兄さんや!」
吾妻「あれ、手に何を持ってんの? あ、ウイスキーのボトルか! 非常にシンプルだけど、おもしろいですね。オープンE系か」
Rei「うわ~、すごいカッコイイ! どうやって弾いてるんだろ。すごくいい音してますね」
吾妻「この人、親指がスゴイですね」
高田「うん、リズムがいいですね」
濱口「パーカッシヴでのう。それにしても、結構お金が入りよるのう(ギターケースのチップを見ながら)」
バラカン「こういうところに濱口さんが行っても同じようにできるかな?」
濱口「できるやろけど、飛行機がイヤやからね。外国はもうええわ、日本で上等やろ。日本もまだまだ行ったことないところばっかやのに。それにしてもカッコええ。ノリがええのう」
吾妻「漣さん、ああいうウイスキーのボトルで弾くのは難しくないの?」
高田「やったことはないですけど、弾きやすいはずはないですよね。昔、ダニー・ガットンとかも使ってましたよね」
Rei「彼、フルアコを使ってるんですね」
濱口「フルアコをラップ・スタイルでやりよるんやろうね。Reiちゃんは(ギターを)寝かしてやったりしてないん?」
Rei「ああ、まだやったことないですね。ぜひ彼から弾き方を伝授してもらいましょう」
バラカン「歳はいくつなんだろう。20代かな」
吾妻「2人いるようにしか思えない。前に観た映像では、背中に犬を乗っけて弾いてましたけどね。その犬があくびしててね」
濱口「あかん、酒呑みたくなってきた! こういう音楽談義、大好きや」
バラカン「今年の〈LIVE MAGIC!〉はギタリストたちで相当盛り上がりそうな感じです」
NAOITO
アフロビート・バンド、KINGDOM★AFROCKSのフロントマンとしてもその名を知られたこのシンガー・ソングライターは、ジャマイカやネパール、ブラジルなど世界各国を旅行しながら吸収したサンバ、ルンバ、クンビアなどのリズムと、叙情的な日本語歌詞を掛け合わせた雑食的で無国籍性の高い楽曲を生み出してきた。どこか懐かしさを感じさせる人懐っこいハスキー・ヴォイスの魅力は、2010年作『雑食familia』や2011年作『379days』といったソロ名義のアルバムで味わえる。
バラカン「これがNAOITO(ナオイート)という人です。去年、僕が葉山でDJを頼まれたときに、そこの海の家で演奏していたグループで。これが結構おもしろくてね、アフロビートにレゲエなどいろんなものが混ざっていて、湘南独特のユルい感じがあるんだけど、ライヴはすごく楽しかった。管が2人、キーボードとパーカッションとドラムとギターという編成。無名だけど、〈LIVE MAGIC!〉のお客さんにぜひ知ってもらいたいと思って今回呼びました」
MIKE GARNER & NEIL BILLINGTON
ギタリストのマイク・ガーナーとハーモニカ・プレイヤーのニール・ビリントンによるアコースティック・ブルース・デュオ。2013年から活動を共にしはじめた彼らは、地元であるニュージーランドの〈ロトルア・ブルーズ・フェスティヴァル〉やタウランガでの〈ナショナル・ジャズ・フェスティヴァル〉などに出演して大きな評価を獲得。これまでにも2度来日を果たしており、各地でヴェテランらしいディープなライヴ・パフォーマンスを披露、コアなブルース・ファンたちを唸らせている。
バラカン「これはニュージーランドの2人組です。ギターはマイク・ガーナー、ハーモニカはニール・ビリントン。去年彼らは日本で小さいライヴハウスのツアーを行っていて、番組のゲストに来てもらったんだけど、バツグンに良かった」
吾妻「オーソドックスなスタイルですね」
濱口「サニー・テリー&ブラウニー・マギー※のようなコンビやね」
※アメリカのギターとハーピストのコンビ。1940年代前半から共に活動し、1950年代には当時のフォーク・ブームに乗って黒人界隈のみならず広く人気を得た。サニーのハーモニカはボブ・ディランにも多大な影響を与えたという
吾妻「そうそう! ニュージーランドかぁ。こういう人たちは世界中にいるんですねぇ」
バラカン「おっさん世代でね(笑)」
Rei「最近はニュージーランドやオーストラリアでもブルーズのフェスティヴァルが多いって友だちに聞きました」
吾妻「15年ぐらい前の夏休み、ベルギーに遊びに行ってバーに入ったら、こういう人たちがいっぱいいたんですよ。ハーピストがものすごく多くてね、演奏が終わった後に彼らと喋っていたんだけど、〈ハープの人が多いですね〉〈ああ、多いね。国王もハープを吹いてるから〉〈そうなんですか!〉〈嘘だよ〉。うわ~、なんだその冗談は! 忘れないですね、その会話は」
バラカン「彼らは濱口さんやReiも登場するラウンジのステージに出てもらおうと思っています」
濱口「こういう人らはあのステージに似合うやろの」
バラカン「だからね、今年はいろんなセッションが繰り広げられるかもしれない」
Rei「わーい!」
バラカン「おもしろいハプニングが起これば嬉しいなと思っていて。ビールを呑みながら楽しんでもらえれば」
Peter Barakan's LIVE MAGIC! 2016
10月22日(土)開場12:00/21:30終演予定
10月23日(日)開場12:00/20:00終演予定
東京・恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホール/ザ・ガーデンルーム
1日券 12,000円/2日通し券 21,000円
(中学生・高校生)学割1日券 7,000円/学割2日通し券 11,000円
※すべて税込・オールスタンディング、小学生以下無料(要保護者同伴)
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【撮影協力】
Cafe Havana Tokyo
NY発、アジア初上陸のキューバン/メキシカン・カフェダイナー
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