2014年10月25日(土)、26日(日)の二日間にわたって、 恵比寿ザ・ガーデンホール/ザ・ガーデンルームにて開催される〈Peter Barakan’s LIVE MAGIC!〉。今回Mikikiでは、その開催を記念して、当日会場にて限定発売されるパンフレット収録用に行われた、主宰者であるピーター・バラカン、出演者である細野晴臣久保田麻琴の〈ビッグ3〉によるスペシャル鼎談の模様を一部公開!

 

――フェス開催の経緯について

ピーター・バラカン(以下B)「僕が30年前にやっていた〈ポッパーズMTV〉に影響を受けたというタワーレコードの田中(伸明)さんとクリエイティブマンの平野(敬介)さんから、〈大人のための都会型ロック・フェスをやりませんか?〉というアプローチが1年ぐらい前にあって。しかも自分が好きなアーティストを好きに選んでいいということで、願ってもない話だと思って引き受けました。僕はスライド・ギターが大好きだから、最初、麻琴さんに連絡を取って、ライ・クーダーに出てもらうことはできないかなぁ?と話をしたんだけど(笑)、ライは現在ライヴをやりたくない、というメイルがすぐに来て、門前払いを食らってしまいました(笑)。そんなこともありましたが、結果かなりいい感じのラインナップになったと思います。とにかく僕の好きなミュージシャンばかりを選んだということですね。細野さんにはまず声をかけようと思ってました。40年前に僕が日本に来た頃、好きなバンドを見つけると、だいたい細野さんが関わっていた(笑)。初期のYMOはちょっと外れたけどね」

細野晴臣(以下H)「フフフ。知ってるよ」

B「それ以来、ずっと気になるミュージシャンであり続けたし、仕事での関係が続いた時期もあったしね。それに最近はすごく心に刺さるアルバムを作ってくれてるから、声をかけるのは考えるまでもなかった。で、麻琴さんはミュージシャンとしてよりも、BLACK WAX濱口祐自という彼がプロデュースしている2組をぜひ誘いたいということもあって連絡をしたんです。でもその後、細野さんが出てくれることになって、じゃあ15年前にふたりがやっていたハリー&マックを復活させられたら面白いんじゃないかと閃いて。で、おふたりに別々に訊いてみたら、〈いいんじゃない?〉って反応で(笑)」

H「実はまだ当人同士、何も話してないんだけど(笑)。ま、すぐに出来るもんね」

久保田麻琴(以下K)「どうかなぁ……(笑)。私のほうは、甚だ自信がないんだけどね」

H「前に〈京浜ロック(京浜ロックフェスティバル2009)〉でもほとんどリハなしでやったじゃない? ついこの間も吉祥寺(〈THE LAST BAUS さよならバウスシアター〉)で“Travelin' Mood”をやったし。僕のバンドにゲストとして呼び込んで歌ってもらうという形になると思うけど」

K「そのとき私はミックスをしている予定なんですよ。PA卓の向こうからマイク持って現れるとか……ダメか(笑)」

 

――深奥なる米国ルーツ音楽の魅力

B「アメリカのルーツ音楽はわれわれが聴いているポピュラー・ミュージックのルーツそのもの。で、この手のアーティストって最近あんまり来日しなくなったんですよね。こういったフェスティヴァルだと多くの人に聴いてもらう機会にもなる。でもなぜこの音楽が好きなのかと訊かれると困っちゃうんだけど……」

K「イギリス人なのにね(笑)」

B「まあね(笑)。とにかくローリング・ストーンズが悪い。彼らのおかげで、アメリカのルーツ音楽にのめり込むことになったから。いま考えると、ソウルやゴスペルの曲もやってたし、僕の音楽の先生ですよ。リスナーのリクエストが圧倒的に多いということも含めて、僕の〈バラカン・モーニング〉でいちばんかかっていたのはストーンズなんだよね、不思議なことに」

K「そうなんだ、面白いね」

H「しかし、若い人がこういう音楽を聴いているってことにまずビックリするね」

B「みんな接する機会がないだけだと思う。聴けば誰でも好きになると思う。若いときのロックンロールって理屈抜きだもん。去年アイルランドのストライプスという16歳ぐらいの若いバンドを観に行って思ったのは、ルーツ音楽をやりたがる若者はいつの時代にもいるんだってこと。パンクの連中も似たり寄ったりだと思うんだけど、どの時代でもああいう音楽って一度は通過する道じゃないかな」

H「少ないけどね。でも二十歳そこそこの人たちがやり出すのはすごいなあと思う」

B「最初はみんな同時代の音楽から入っていきますよね。僕の場合もストーンズのLPのレーベルに細かい文字で書かれていたクレジットをじっくり見て調べました。暇だったから。そして〈この曲作ったのメンバーじゃないんだ、だったら誰だろう?〉っていう好奇心から過去へ遡っていくような聴き方をしていた。ダウンロードの場合だと、作曲者にまで興味を持たないかもしれないね。いまの時代、そういう好奇心をその方向へと向かわせるのはわれわれの仕事かもしれないね」

 

……お三方のお話はだんだん熱を帯びてきて、この後は3人の出会いや知られざる思い出話などのエピソード、そしてそれぞれの〈LIVE MAGIC!〉な体験(海外の伝説的なライヴなど超貴重な体験談が盛りだくさん!)と濃厚な内容となっています。完全版は、当日会場にて限定発売されるパンフレットに収録されているので、お楽しみに!!

 

パンフレットは豪華LPジャケット型!

 

〈Peter Barakan's LIVE MAGIC!〉
■開催日時:2014年10月25日(土) OPEN:13:30 START:14:30 / 10月26日(日) OPEN:12:00 START:13:00
■会場: 東京・恵比寿 ザ・ガーデンホール/ザ・ガーデンルーム
■出演:
【10月25日(土)】Jon Cleary & the Absolute Monster Gentlemen/細野晴臣/Jerry Douglas Band/Stanley Smith/告井延隆/Black Wax with 久保田麻琴 live mix/MONSTER大陸/Rei
【10月26日(日)】Jerry Douglas Band/高橋幸宏 with Dr. kyOn、高田漣/Jon Cleary(Solo)/Boukou Groove/中村まり/濱口祐自/TARO & JORDAN

ほかにも
●ピーター・バラカンが出演していた伝説のテレビ番組「ポッパーズMTV」の再現 
http://livemagic.jp/2014/08/28/poppers_mtv/

●Talking HeadsのLIVEドキュメンタリー映画「Stop Making Sense」の爆音上映
http://livemagic.jp/2014/09/25/stop-making-sense/

●ピーター・バラカンがお奨めする美味しい料理や飲み物 
http://livemagic.jp/foodmagic/

をお楽しみいただけます。

チケット一般発売中!
★土曜の1日券は前売り分が完売。当日券は会場にて若干数販売の予定です(25日は13:00から、26日は11:30から販売)。

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