スターリンによるクリミア半島からのタタール人追放を描いた“1944”で、2016年の〈ユーロヴィジョン〉を制したウクライナの美女、ジャマラが5曲入りのEPをリリースした。タタールの血を引く彼女の歌声は、時に力強く、時に憂いに満ち、とてもエモーショナル。トリップ・ホップ的な匂いのする落ち着いたトラックを背に、絶大な説得力を湛えている。単なる東欧エスニックとは括れない存在感だ。