活動15周年のbonobos。昨年、小池龍平(ギター)、田中佑司(キーボード)、梅本浩亘(ドラムス)の3人を迎えた新体制になったわけだがbonobosはbonobos。生まれ変わったというより形を変えながら辿り着いたかのような、5人として最初のアルバムは『23区』。オリジナル・アルバムとしては約2年ぶりとなる、まさに都会的なキラキラが全編に塗されたシティ・ポップで、5人だからこそのバンド感も耳にやさしい。もともとサポートメンバーだったという3人との息もぴったりだし、ドラムでサポートしていた田中がキーボードで加わったのにも納得! ここより先を見据える彼らのまぎれもない現在位置。

 


今年1月、蔡忠浩はライヴ会場限定のソロ作を発表。そこには田中佑司(キーボード)、小池龍平(ギター)も参加していたし、5月にはその二人と梅本浩亘(ドラムス)を加えた体制でbonobosとしてのライヴを敢行……と、新たな動きを見せていたが、2年ぶりの新作は『23区』というタイトルと、首都高速を模したアートワークなどからも伝わってくるように、都市のイメージにフォーカスした内容になっている。実際に80年代テイストの艶のある仕上がりをめざしたかのような“Cruisin’ Cruisin'”を筆頭に、眠らない東京の夜の町をドライヴするような、洒脱なポップスがズラリ。“東京気象組曲”“メトロポリタン・ララバイ”など、都会暮らしの煌びやかな側面に着眼し、音像化したグルーヴィーな曲からは、かつて筒美京平がお手本にした70年代のニュー・ソウルも思い浮かぶほどだ。不安や危惧を抱えながら2020年をめざす、2016年の東京とは――? そんな命題にポップ・ミュージックで挑戦したような一枚だ。