2015年のロイヤル・オペラ、指揮は名匠パッパーノ。ウェストブルックのマッダレーナは力強くも魅惑的な美しい歌唱と容姿で悲劇のヒロインを演じ、ジェラールのジェリコ・ルチッチ、ベルシのデニス・グレイヴスもそれぞれ芸達者ぶりを発揮しさすが。中でもタイトルロールのカウフマンが期待に応える名演。視覚的にもぴったりの凛々しいシェニエ。第1幕の「ある日、青空を眺めて」も素敵ですが、第3幕「私は兵士だった」での聴き手にぐいぐいと訴えて来るカリスマ性のある熱唱は引き込まれます。デイヴィッド・マクヴィカーの演出はオーソドックスでわかりやすく見どころが満載の素晴らしい舞台です。