壮大、ドラマチックな名演。指揮のパッパーノはオペラ経験で培った劇的表現を前面に打ち出し、主役とも言えるロンドン響合唱団はイギリスの合唱の伝統を引き継ぐ愛情のこもった熱い歌を、特に第1部後半で披露。バリトンのフィンリーは開始直後、序曲の前のエリヤの第一声からして並々ならぬ緊張感。そのフィンリーと、先日のロイヤル・オペラ来日公演でパッパーノの指揮でリューを歌ったソプラノのラングワナシャとの二重唱(第8曲)が痛切で聴きどころ。LSOレーベル25周年の記念盤でもあり、それにふさわしい内容となった。2024年1月のライヴ録音で英語歌唱。