インタビュー

CYNTIAが完全復活! メンバー脱退の苦境乗り越え、自分たちらしさを見い出した新作『Urban Night』を語る

CYNTIAが完全復活! メンバー脱退の苦境乗り越え、自分たちらしさを見い出した新作『Urban Night』を語る

帰還の時は来た! 音楽で伝えたいこと、ステージへの熱い思い、ストレートな心情を織り合わせて激しさを増した4人は、またここからCYNTIAを大きく羽ばたかせる!

 

何を伝えていきたいのか

 「これまで出してきた4枚のアルバムってどれも毛色が違うから、ともすれば〈器用貧乏〉って言われたり、〈CYNTIAといえば〉っていう謳い文句を付けにくかったりして、悩むこともあったんです。でも、この1年9か月の間に、私たちがなぜ音楽をしているのか、何を伝えていきたいのかって考えていくことで、すごく漠然としていた〈CYNTIAらしさ〉とか〈CYNTIAっぽいもの〉が、メンバーの中でまとまりはじめたんですよ。今回の収録曲を選ぶときも〈これにしよう!〉って挙げた曲が、みんな同じだったりとか」(SAKI、ヴォーカル)。

CYNTIA Urban Night Age Global Networks/Village Again(2016)

 待望のフル・アルバム『Urban Night』を完成させたCYNTIA。4人体制になってからの初作、しかもレーベル移籍後1作目ということもあり、まさに新たな状況下で制作された本作は、CD帯に躍る〈完全復活〉の言葉に相応しいものになっている。しかし、前作から1年9か月の間には、ドラマー脱退によってステージに立つこともままならない時期もあった。そんな苦境の中でも3桁にも及ぶ(!)大量のデモ音源を制作し、4人は来るべき次作へ向けて動き続けていたという。

 「一昨年の3か月連続ワンマンで、いままで出してきた曲を全部一度にやってみたら、〈カラーが違う〉とは言われていたけど、どのアルバムからどの曲をやっても、全然違和感がなかったんですよね。この4人でやれば全部CYNTIAになることがライヴを通して実感できたから、デモの制作期間はヘンな自信に満ちてました」(AYANO、キーボード)。

 タイトル曲“Urban Night”は、まさに都会の夜を彷彿とさせるクールさを備えながらも、各パートは競り合うように動き回っている。それは、作曲を担当したAYANOが、活動が滞っていた時期に「夜景を見ていて、この都会で夢を叶えるんだ、前へ進むんだ」と、気持ちを新たにしたという経緯から生まれているからであり、その想いを汲んでSAKIが書いた歌詞も熱く、とにかくエモーショナルなものになっている。

 「これまでずっと走り続けてきていたけど、一度止まってしまったことで、自分のどこがダメだったんだろうって考えてしまうこともあったんです。でも、この曲を聴いたときにリセットされたというか、〈この曲を作りたい!〉ってすごく強く思えて」(AZU、ベース)。

 「新しく出発する自分と、いままで培ってきた自分がうまく共存しているんですよ。いままでは、ギター・リフだったら〈ギター・リフ!〉みたいな感じだったけど、この曲はカッティングがあったり、ライトハンドがあったり、ヘンな意味で欲張りなところがあって。こういうのは昔の自分たちにはできなかったと思う」(YUI、ギター)。

 

CYNTIAを信頼してる

 アルバムはインストを含む全9曲。「自分のダークな面を出してみた」というAZU作曲の“不眠症シンデレラ”は、どっしりとしたグルーヴィーなサウンドに、ベース・ソロも登場。メタル色の濃い“Bless of the Fire”には、移籍を受けてレーベルメイトとなったAldiousTokiが参加、初期のCYNITAらしさを窺わせる音像に歓喜するファンも多いことだろう。そこで、冒頭でSAKIが「メンバーの中でまとまりはじめた」と語った〈CYNTIAらしさ〉とは何か、改めて訊いてみた。

 「私たちって〈みんなで歌える歌モノメタル〉っていうのが出発点にあるんですけど、特に今回の“Un!verse”のコーラスにはそれが強く出ていて。みんなで同時に録ったんですけど、一本のマイクに向かって歌っているときに、ライヴ会場でお客さんと一緒に歌っている画が見えたんですよ」(SAKI)。

 「やっぱりコーラスですね。“ハピネス”のBメロは、それこそみんなで歌ってほしいなと思って書いていたし、“Un!verse”も新しい曲ではあるけど、〈これってあなたの知っているCYNTIAでしょ?〉っていう感じがあると思います」(YUI)。

 「私はすごいピンポイントなんですけど(笑)、“if”の2Aメロ。なんか、技術とかエフェクトとかの話じゃなくて、カラーというか。こういう世界観がCYNTIAっぽいなって」(AZU)。

 「CYNTIAの曲はライヴハウスじゃなくて、大観衆がいるスタジアムとかをイメージして作らなければいけないとか、私の中での決まり事がたくさんあるんですよ。それもあって、リヴァーブ感とかディレイ感みたいなものは、特に指定をしていなくてもみんな結構かけてくれるところは嬉しいですね。私もそういう音像が好きですし、そういうバンドでありたいと思うから、そこは大事にしていきたいです」(AYANO)。

 アルバムを締め括るのはバラード・ナンバーの“Call Me.”。壮大なサウンドスケープに、SAKIは〈私を見つけて〉〈此処に居て良いんだと、言って〉と、切実なまでの想いをストレートに吐き出している。

 「いままで自分のことを歌詞にはしてこなかったけど、いまはCYNTIAをすごく信頼しているし、私たちの曲を聴いてくれる人たちには、自分の話をしてもいいのかなって思えるようになったんです。それで書きはじめたら、もう止まらなくて(笑)! メンバーから意見をもらって書き換えた歌詞も他にはあるんですけど、これだけは私が書いた第一稿そのままです」(SAKI)。

 この歌詞はSAKI自身の思いを綴ったものではあるが、街の片隅で、誰かに気付いてもらいたいと孤独を抱えながらいまを生きている多くの人々の胸を打つはずだ。そして、ライヴでの自信から生まれた本作を引っ提げ、1月に控えた全国5都市を廻るツアーはもちろん、その先のステージでも4人は思う存分暴れ回ってくれるだろう。

 「アルバムが出来たときに、完成してよかったなというよりも、バンドを続けていてよかったな、これからもがんばろうって思えたんですよね。そういう喜びを感じることができたし、いまはとにかく応援してくれている人たちを幸せにしたいなっていう気持ちでいます。待たせてしまっていたみんなの気持ちを早く爆発させたいですね」(SAKI)。

 

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