多彩な顔ぶれと積み重ねてきたこれまでの機会
現在までの全アルバムをプロデュースする北川勝利を筆頭に、カジヒデキ、宮川弾、矢野博康、沖井礼二ら渋谷系な人材が腕をふるった初作。究極の潤い成分を湛えた〈声〉の魅力を活かすべく、ハーモニーを軸にした麗しい楽曲群は絵本のように心温まる情景を描出し、〈これぞポップスの魔法〉と言いたい一枚に。キャラソンで主役の評価を押し上げた神前暁(MONACA)も参加。
2作目は、25歳の誕生日に合わせて25曲を収録した2枚組の大作に。父への思いを歌った“パパ、アイ・ラブ・ユー!!”をはじめ、私的な思い出や心情を反映した曲が増え、より彼女自身を表現した作品と言えそう。サウンド的には前作の流れを汲みつつ、小出祐介(Base Ball Bear)製のシューゲイザーといった新機軸にも挑戦。それらの音に負けないほど芯の強くなった歌声が頼もしい。
STUDIO APARTMENT製のハウス、やくしまるえつこの提供曲といった先行曲を含むも、全体的には〈NY〉をテーマにリッチ&優美な装いを手にした3作目。スティーヴ・ジョーダンら超一流プレイヤーを迎えたジャズ~フュージョン曲をはじめ、ドゥワップやラテン・ディスコなど同地へのオマージュがたっぷりで、歯切れの良いホーンに乗って軽やかにスウィングする歌唱も大人っぽい!
花澤が歌うキャラソンを題材にミトがプロデュースした2枚組の企画盤。YunomiやLLLLら新鋭を中心としたリミックス集も素晴らしいが、2 ANIMEny DJsによるミックスCDが選曲や繋ぎを含めアニソンDJの教科書にしたい完成度。ソロ作とはまた異なる歌唱表現(と演者としての才能)が堪能でき、花澤ヴォイスの中毒者は必携だ。
これまでの花澤香菜作品に参加したアーティストの作品を一部紹介。