ポップでシュールな最高のテクノ歌謡が完成!
日本のニューウェイヴやハード・ロックなど、自身の音楽的な嗜好に近いアーティストをたびたび作家として招き、良曲を送り出してきた上坂すみれ。そのなかでも、「この美術部には問題がある!」のエンディング曲となったニュー・シングル“恋する図形(cubic futurismo)”においては、久々にテクノ・ポップへフォーカスしている。その制作を担ったのは、近年なら特に「ウィッチクラフトワークス」や「トリニティセブン」周りでその筋の確かな腕と(オタク的な)知識を披露してきたTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND。これがモロに80sなテクノ歌謡で、そこに乗る上坂の歌唱も絶妙のプラスティック度! 機材マニアもニンマリするであろう、細かい音色へのこだわりもいちいち楽しい逸曲となっている。
一方のカップリングには、MOSAIC.WAV製の電波エレポップ“♡をつければかわいかろう”。展開ばかりか言葉数も膨大な楽曲を飄々と歌い切ったあとには、文豪にまつわるエピソードをやたらチアフルに畳み掛ける“文豪でGO!”が続く。こちらは演劇とコントと音楽が入り混じる〈ロシア系怪電波ユニット〉=ザ・プーチンズの街角マチオが作詞/作曲を、谷地村啓が編曲を担当。なお、三者三様ながら、言葉を追っていると(いい意味で)思考力が奪われるシュールな歌詞も素晴らしく……聴後の〈煙に巻かれる感〉が最高の一枚だ。
今月の素敵音楽 from 2Dao and more!
初フル・アルバムから間髪入れずに「マクロスΔ」の新オープニング/エンディング・テーマを収めた両A面シングルが到着。美麗なヴォーカル・フォーメーションに感嘆しきりのドラムン・ポップ“絶対零度θノヴァティック”やJUNNAのパワフルな歌声がリードするラテン歌謡“破滅の純情”、坂本真綾×北川勝利のコンビが手掛けた切ないミディアムなど、美曲ばかりの一枚です!
快調にシングルを重ねるMayuとTom-H@ckのデュオによる新作には、「Re:ゼロから始める異世界生活」のオープニング曲と挿入歌の2曲を収録。回転系のビートと疾走するストリングスにファルセット交じりのエモーショナルな歌声が映える“Paradisus-Paradoxum”と、ダーク&シリアスなEDM調の“theater D”、いずれもどこか不穏な神秘性を孕んだ仕上がりとなっています。
ヴォーカルに声優アーティストの幸田夢波を迎えたシングル。劇伴も担当する「Fate/kaleid liner プリズマ☆ドライ!!」のエンディング・テーマの表題曲は、無機質気味な歌と好相性の幾何学的なテクノ・ポップ。エレドラがポップに弾むカップリングは、言葉遊びをしつつメッセージが真っ直ぐ伝わる歌詞にもグッときました。
「ベルセルク」のエンディングを担う“瞑目の彼方”は、本人が作詞、鷲巣詩郎が作曲、そして鷲巣とCHOKKAKUが編曲という布陣の壮大なミディアム。透明な歌声が重層的にたなびく幻想的なサウンドスケープにうっとりします。童謡的なメロディーをドリーミーな音像で包み、さらにミステリアスな歌詞を乗せた“キミミクリ”もやなぎらしい世界観。ほか、タイトル曲の英語版も収録。
やなぎなぎもリスペクトするシンガー・ソングライターの30周年記念盤が到着。悠木碧や手嶌葵への楽曲提供、Charaや安藤裕子のライヴでのコーラスなど外仕事でも評価を得る彼女だけあって、ノスタルジックにもファンタジックにも振れるオーガニックなアンサンブルと、クリスタルな美声は本当に絶品! ゲスト・プレイヤーとしてミトや吉野友加(tico moon)らも参加。
フロアでも推奨! 花澤香菜のキャラソン盤
2012年のソロ・デビュー以来、〈ヘッドフォン推奨〉と銘打って高品質のポップス作品を発表し続けてきた花澤香菜。その一方で、アニメ/ゲーム内のキャラクターとして携わった楽曲も相当数あるが、このたび、そのキャラソンが主軸の2枚組アルバム『KANAight ~花澤香菜キャラソン ハイパークロニクルミックス~』が登場する。
まずDisc-1には、プロデューサーのミト(2 ANIMEny DJs/クラムボン)に指名された7名のクリエイターによるリミックス曲を収録。AZUMA HITOMI 、LLLL、Kei Sato、石濱翔(MONACA)、yamazoといった電子音楽家/アニソン周辺の作家陣に加え、フューチャー・ベース界隈で知名度を上げるティーンエイジ・クリエイター、Nor製の黒猫(「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」)“モノクロ☆HAPPY DAY”やYunomiがアイランド・ポップ化した千石撫子(「化物語」)“恋愛サーキュレーション”など、主にネットを発信の場にしている新鋭の仕事も聴きものだ。
Disc-2は、2 ANIMEny DJs による全34曲のノンストップ・ミックスという仕様。総じてヘッドフォンに加えてフロアでも推奨したい作品となっている。






