佐藤泰志原作の函館三部作のラストを山下敦弘監督が飾る。地方ならではの閉塞感と胸が苦しくなるリアルな日常を見事に描いた。職業訓練校に通う主人公を演じるオダギリジョー。一見、穏やかだがどこか無気力。こうゆう役はオダギリジョーほどハマる人はいない。蒼井優の突然キレてしまうぶっ飛んだキャバクラ嬢役はさすが。職業訓練校の個性豊かな登場人物たちも見所の一つ。それぞれの日常に立ちはだかる高い壁。乗り越えたいけどなかなか乗り越えられない。でも、必死で頑張ってる。そんな不器用ながらも一生懸命生きる人に突き刺さる映画。どうかフェンスを越えますように! 最後は心からそう願った。