哀しみや辛さをぎゅっと握りしめるような、やさしく抱きしめるような、そのニュアンスは曲によって変わるが、それと俯かないでいようとする強さのようなものを同時に感じさせる。日本だと阿部芙蓉美か、故シバリエが近いのかもしれない。童謡にも通じる。ジャズ畑出身ということもあってか、とても洗練されたギター弾き語りだがペルー音楽やボサノバなどの南米らしさも随所にあり、その溶け合い方が例えようもなく美しい。淀みのない彼女の歌声、楽曲を聴いているとこれが首都であるペルーの南部リマで生まれたものとは思えないが、他人と、にんげんと関わることでしか生まれ得ない美しさなのかも、と思ったりもする。