2015年に発表したミックステープ発祥の“Lean & Bop”で脚光を浴び、ケイティBの“Lose Your Head”(2016年)、ストームジーとの“Bad Boys”(2017年)といったデカめのコラボも経験してきたイースト・ロンドン出身のガンビア系ラッパー、Jハス。一昨年の『The Sound Of Rinse FM』に関連曲がピックアップされていたあたりから注目していた人も多いはずだが、盟友のジェイ5が全曲をプロデュースしたこのファースト・アルバムは、クリスピーな先行ヒット“Did You See”などドレイク~フューチャー以降のルーズな歌心を響かせる楽曲が中心で、昨今の基本フォーマットとなっているアフロ・ポップやダンスホール・レゲエなどを織り込んだユルくリズミックな作りはタイニー・テンパーをもっとストリート寄りにしたような雰囲気でもある。いい感じのペースで新進のアルバムが届いてくるUKラップにあって、すでに全英チャート6位という好成績を上げている一枚ながら、そうでなくても注目すべき作品には違いない。