現代UK R&Bの旗手がEPを挿んで放つ5年ぶりのアルバム。パンデミックを経験して自分を見つめ直したという今作は、先行曲のひとつ“Go Go Go”がストレートなロックであったように、オルタナティヴな存在であることを自認する彼女が、内省的な雰囲気を出しながらも自由闊達に好きな音楽をやってのけた印象だ。メインで制作にあたったフレンチEDMのデイムデイム*らによる鋭くも弾力性に富んだトラックと合体するクールかつエモーショナルな歌声にも固い決意を感じる。P2Jらが手掛けたトライバルなハウス“Little Things”、J・ハスとのアフロスウィング、リラ・アイケを迎えたレゲエ風味でホーリーなミディアムも力強い。