一切の活動を休止し、3年の月日をかけて制作した新作は、祖父の死に際して経験したさまざまな出来事を曲にしていったもの。悲しみつつもどこか淡々とした心を埋め合わせるかのように、ラップは情感たっぷり。現実感の希薄な〈非日常〉なその死から、あたりまえな日々の風景に目を転じ、〈日常はリリックに溢れている〉とその素晴らしさを見い出す終盤の“空”に至るまでの、心のドキュメントとも言うべきアルバムか。