燃やし続けるラップへの熱量に任せ、近年リリースを加速させてきた観のある神門。もはや曲の尺にこだわらない姿勢は近作にも明らかだが、2年ぶりのフィジカル作品は全10曲の『アルバム』と全70曲(!)の『シングル』から成るCD 2枚組に。心動かされた出来事や人、そして曲に向かう自分自身のありようなどを映すその音楽は創作を越えて、いま彼そのものにならんとしているのかとすら。ささやかだが宝物のような日常も、宝物とも思えない生活の一コマも、取るに足らぬよしなしごともここにはある。〈思いが乗っかった表現は強い〉(“セットリスト”)との歌詞がまさに、の19作目だ。