サウンド面の全般を取り仕切るSONPUBと、MCを担うThe BK Soundによるユニットが3年かけてついに完成へと漕ぎ着けたファースト・アルバムは、トラップ、フューチャー・ベース、ダンスホール、アフロ・ポップなど、現行シーンの突端にある多様なエレメントを巧みに掬い上げたハイエンド仕様。口火を切る2曲ではJinmenusagiが登場し、強烈なバウンス・チューンを切れ味鋭いフローで完璧に乗りこなしている。その姿はイエロー・クロウ“City On Lockdown”での姿を彷彿とさせる本作のハイライトのひとつだ。リー・ペリーとJ-REXXX参加の“Future Rebel Music”ではメジャー・レイザー感のあるベース・トラックを、IO & YOUNG JUJU、そしてフックで青山テルマを起用した“Secret Dancehall”ではトロピカルな風味も味わえたりといった具合に、豊富な音楽の語彙と多彩なゲストも含めた特盛りな内容は、ディプロ作品と共鳴する部分も多く、マッド・ディセントからリリースされたとしても不思議ではないほどだ。