メジャー初作となる通算3作目。昨年から増えてきたバンド現場での奮闘は、〈MEGA VEGAS〉への抜擢や(いわゆる)アイドル枠外での〈サマソニ〉出演といった明快な結果を出しているが、本作においても彼女たちのサウンド・カラーとなるエレクトロニコア~トランスコアをキャッチーに追求した情報量の多い音作りは容赦なく破壊力を増している。引き出しの多さを披露した前作『VIRTUAL』よりも核となる魅力のひとつひとつをアグレッシヴに磨いた印象で、ブルータルなシャウトやラップも効果を上げた各曲の無双ぶりには震えがくるほど。シグニチャーなスタイルを更新した暴れん坊な“ONE STEP BEYOND”、軽薄なパーティー・チューンから急旋回する“Scarlet night”、スケールアップした大団円を演出する“Voice”など、モッシュしながら笑って泣ける豪快さとメロディーの美しさが光る。剥き出しのメッセージを届ける名曲“カタルシス”を挿み込むバランスも絶妙だし、勢い任せにならずアルバムとしての配慮も行き届いた傑作!