でんぱ組.incがエンディングを控えて放つラストEP

 秋葉原をベースとして2009年に結成され、2025年1月4日・5日に幕張イベントホールでラストライヴ〈でんぱ組.inc THE ENDING「宇宙を救うのはきっと、でんぱ組.inc!」〉を開催して〈エンディング〉を迎えることが発表されたでんぱ組.inc。いわゆる〈アイドル戦国時代〉と括られる時代が訪れる前から活動を始め、そのなかでインディペンデントな組織が大舞台で成功を収めていく姿は初代BiSと並ぶその時代の希望のようなものだったわけで、いわゆる熱心なファンならずともシーン全体から愛されてきた、パイオニアにして特別なレジェンドのような存在なのです。

でんぱ組.inc 『We need the DEMPA』 トイズファクトリー(2024)

 そして、紆余曲折を経たグループは、今年1月からは7人体制で活動中。ここ数年は『でんぱぁかしっくれこーど』(2022年)や『ONE NATION UNDER THE DEMPA』(2023年)といったEPをリリースしていて、いまにして思えば、何かを残し、伝えていくようなテーマやアートワークも印象的だったわけですが……それらに続く3部作の締め括りとして完成したのが、でんぱ組.incとして最後のオリジナル作品となるラストEP『We need the DEMPA』であります。馴染みの玉屋2060%による“商売繁盛!元祖電波屋!”をはじめ、清竜人、桃井はるこ×烏屋茶房×安島龍人、kusu×釣 俊輔、そして初顔合わせのNeko Hackerによる“BPM285EX”まで、でんぱ組.incならではの圧倒的な楽曲が楽しめます。

 このEPリリースと同日に全国ツアーがスタートし、7人は年明けの幕張まで進んでいくことになります。大きな時代の変わり目を感じますが……エンディングまで、泣くんじゃない! *狛犬

でんぱ組.incの近作。
左から、2022年のEP『でんぱぁかしっくれこーど』、2023年のEP『ONE NATION UNDER THE DEMPA』(共にMEME TOKYO/トイズファクトリー)