アグレッシヴに荒ぶる轟音を従えた噂の4人組が、いよいよ堂々のメジャー・デビュー! いままで以上に攻めまくった強靭なラウド・チューンを引っ提げて、お前らの知ってるPassCodeをまた超えにきたぜ!
グループのグルーヴ
展開の激しい変幻自在なアレンジにエクストリームな音塊を搭載し、気迫漲るパフォーマンスで熱視線を集めている大阪発の4人組、PassCode。セカンド・アルバム『VIRTUAL』を引っ提げたツアーのファイナル、8月8日のZepp DiverCity Tokyo公演で発表された通り、準備万端の彼女たちがいよいよメジャーの舞台にお目見えすることとなった。
南 菜生「目標ではあったけど、そこがゴールだとは思ってなかったです。ひとつの大きな通過点やと思うんで。ただ、メジャーのお話を聞いた時は嬉しかったし、堺の小さい事務所で、小さいライヴハウスから地道にひたすら続けてきたことが、ひとつ認められた部分なのかなって思っていて。最近はバンドもアイドルもすぐメジャー・デビューする人たちは多いけど、PassCodeは〈今なんやな〉って感じがしてます。これより前やったら〈まだ早い〉と思ったし、これ以上遅かったら遅すぎるし」
そんなPassCodeが現体制の4人組でギアを入れ直したのはちょうど1年前の10月、初の全国ツアーを敢行したタイミングだった。それ以前から早耳の間では注目を集めていたグループだったものの、そこから1年を経て大きく育った今がまさに飛躍の時なのは間違いない。
今田夢菜「4人になった時に〈ここで終わりたくない〉っていう気持ちがみんな強くなって。〈絶対やってやる〉ぐらいの感じやったもんな。そこからは1か月が1週間に思えるくらい早く過ぎていったというか、何かそれぐらい充実してるんやな、って感じてます」
大上陽奈子「1年前の私はまだ加入して2か月くらいやったから、ホンマに3人についていってるだけの感じで、ライヴも最後までやりきれたらもう十分、ぐらいに思ってたんですよ。でも1年経って、アルバムも出して、歌やダンスに自分なりの意志をちゃんと混ぜられるようになってきたと思います」
高嶋 楓「前は喜怒哀楽をあんまり出さなかったんですけど、この1年で主張が激しくなりました(笑)。あと、大きい場所に初めて単独で立たせてもらって、〈まだまだやな〉って部分も〈もっとできる〉って思うところもいっぱい出てきたり、そんなふうにいろんな感情が入り混じった1年でした。あと、昔はいただいた歌詞をとりあえず歌うみたいな感じやったんですけど、いまはその詞の意味とか言葉によって歌い方を変えたり、自分の中で研究して表現するようになりました」
菜生「この1年でチームとして良くなったというか、一体感がだんだん増して、グループとしてのグルーヴが生まれてきたんじゃないかなって気がしてます」
陽奈子「わかる? 夢菜ちゃん、グルーヴ」
夢菜「わかるわ」
菜生「そういう、ノリみたいなものが生まれてきたかなって思ってて。メンバーの関係性とかもガラッと変わって、何でもしゃべるようになったし、ライヴ中も目が合ったら3人の考えてることがわかるっていうか。それぞれ〈こう思うからこうしたい〉とか、そうやって自分たちで考えながらやれてるってことが、のびのびステージに立つってことに繋がってると思います」
限界を超えていきたい
そうして完成したメジャー・デビュー・シングル“MISS UNLIMITED”は、引き続き平地孝次プロデュースの下、これまでの名曲群のエッセンスも織り込んだ容赦なくラウドな仕上がりに。先述の『VIRTUAL』がカラフルな多面性を見せた一枚だとしたら、今回は〈限界突破〉の名に相応しく、エッジーなPassCodeらしさの本質を研ぎ澄ませた快曲だと言えるだろう。
夢菜「いままでのPassCodeの激しさとかバンド・サウンドが、さらに厚くなって、勢いが増した感じ。メジャーの一発目から行くぞ!って、勝負をかけた曲です」
菜生「〈PassCodeってこれぐらいやろ?〉っていう先入観とか限界を全部超えていきたくて。PassCode好きな人にはたぶん刺さるし、逆にあんまし知らんっていう人でも、聴いたら〈あ、カッコイイ〉って思う人もたくさんいてくれるんじゃないかなと思います。私たちがどんな音楽をやってて、どんなパフォーマンスをしてるのかわかってもらえるような、〈これがPassCodeです〉って名刺代わりになるシングルですね」
陽奈子「これまでも応援してくれたファンの皆さんの中には〈メジャーに行って路線が変わるんじゃないか〉って心配してる人もいたんですけど、そういう点でも自信を持って出せる曲だなって思います!」
菜生「『VIRTUAL』には可愛いのとかエモい感じとか、いろんなタイプの楽曲が入ってたけど、このシングルはカップリングも入れて全部ライヴですぐガンガンやれる曲ばっか、即戦力になる3曲です」
陽奈子「攻めてる感じやな。カップリング曲はシャウトがいままででいちばん激しくて、けっこうメインになってます」
小柄でキュートな姿からは想像できない夢菜の激烈なシャウトはPassCodeのエグいカッコ良さを印象づける大きな一要素だが、カップリングの“TRACE”と“Cry Out”はいずれもその咆哮をいつも以上に大フィーチャー。菜生と楓が掛け合うラップ調のパートもその勢いに拍車をかける。
菜生「カップリングの2曲は同じ日に録ったんですけど、夢菜がシャウトに時間をかけてて……めっちゃ録り直したやんな?」
夢菜「そう、レコーディングは一人3時間って決まってて、自分が最初やったから、時間が押したらみんなが遅くなるのもわかってるけど、英詞のシャウトで手こずったのもあって、どうしても気に入らなくて、平地さんも頭を抱えだして。時間がなくてヤバいって気持ちと〈もっとできるのに〉っていう気持ちがあって……結局4時間半くらいかかりました」
菜生「最後に私まで回ってきたら夜中で。夜中にラップを録ってノリノリな感じが出たから、逆に良かったかな(笑)。私は今回ラップの部分を、いろんなニュアンスを録らせてもらいました。掛け合いする楓ちゃんがパーティーっぽい感じやったんで」
楓「私はめっちゃアゲアゲな感じで、イキった顔して歌ってましたね(笑)」
菜生「なので、菜生は〈ゴリゴリにしたほうが掛け合いとしておもしろくないですか?〉とか、いろいろ話して意見を採り入れてもらって。ステージでいつも煽ってるみたいに、いかつい感じでやってます(笑)」
夢菜「それぞれ〈ここはもっとこうしたい〉って、レコーディング中に言うようになったよな?」
一同「うん」
陽奈子「レコーディングって、〈ちゃんと発声して歌を上手く録ってもらうもの〉みたいな捉え方をしてたんですけど、平地さんから〈切ない部分では掠れたニュアンスが欲しい〉って提案があって。今回は声を張るというよりも、マイクを頼りにサイレントで表現する、みたいな。それがけっこう難しくて苦戦しました」
菜生「そうやって個人個人に特徴が出てきたっていうか、夢菜はシャウト担当で、楓ちゃんは可愛くて、陽奈ちゃんが透き通った歌声で、私がうるさいっていうか激しい感じとか。昔は音源だと個性が見えにくかったんですけど、最近の曲は平地さんにうまくパート分けしていただいてることもあって、完成して聴いたら4人それぞれの良さが出てるなって」
まだまだ知ってもらえる
なお、レコーディングではリズム隊も生音になり、ドラムスはMY FIRST STORYのKid'zが担当。「いままで以上に力強さとか感情の入ったフレーズがサウンドにも籠って、やっぱり生音って良いなって思います」(菜生)という言葉通りの躍動感に溢れた出来映えは、11月から始まる全国ツアーを見据えたものでもある。11か所を巡るライヴの本数も、全編をバンド・セットで臨むツアーも初の試みだ。
夢菜「8月のZepp DiverCityではまだバンドで歌うことを掴みきれずに悔しいところもあったんで、今回はバンドを引っ張っていける、かっこいいツアーにしたい。心の底から自分を出して、お客さんも楽しめるようなライヴにしたいなと思います」
陽奈子「前はそのファイナルだけだったから、早くバンド・セットが観たいって言われてたんですけど、今回はもう、初めて行く場所も含めて全部バンドで回るので。不安もちょっとあるけど、めっちゃイイものをお観せしたいです」
楓「各地でいろんなことを吸収して、それをファイナルのSTUDIO COASTで全部ドーンって出したいです」
着実に支持を広げつつ、アイドル系のイヴェントでもバンドとの対バンでもまだアウェイを感じるというが、「逆にまだまだ知ってもらえるんやなって思うとワクワクします」(菜生)という彼女たち。この自信と一体感があれば、4人は今のPassCodeを何度でも超えていくに違いない。