言語学者の金田一京助の勧めで1922年に「アイヌ神謡集」を完成しながら、著者である知里幸恵は心臓発作のため19歳の若さで死去。翌年出版されたこの著作はアイヌ民族の自然消滅化を暗に進める悪法の苦しみから、アイヌ人の復権を促し、地位向上へと導くきっかけとなったことで知られている。この「アイヌ神謡集」をベースにテクノロジーを駆使したサウンドで楽曲制作を行ったのが多楽器を操るアライシアキラと、神秘的なヴォイスでアイヌのもつスピリットを表現するキラライラからなるイチオン。本作はアイヌとテクノの融合が時空を超えて古来のメッセージを伝えるデビュー作。