5年ぶりのニュー・アルバム。そもそも前作『The 20/20 Experience』も7年ぶりに出たものでしたが、その時よりもっと間隔が空いたように思えるのは、忘却のサイクルが加速している受け手側の問題なのかどうか。ここにきて南部生まれの白人男性という自身のルーツをテーマにしているのは、20年かけて越境に成功してきたからこその原点回帰なのか、あるいは……という感じです。まずチャド・ヒューゴも含めたネプチューンズ名義でのプロデューシングが久々に実現しているのが収穫で、彼らを中心にティンバランドが脇を固める布陣は『Justified』以来のバランス。クリス・ステイプルトンを迎えたカントリー“Say Something”もありつつ決定的な一撃に欠けるぶん、軽やかな表題曲などが印象に残りました。