楽しかったりシリアスだったり切なかったりホッとさせてくれたり……。2人のソングライターとしての持ち味が十二分に活かされたバラエティーに富んだラインナップで、〈これぞ、ゆず〉な期待に応えながらも新しいときめきと感動をそこかしこでキャッチできるうたが立派に実りました!
おととし11月に東京ドーム2デイズで開催された弾き語りライヴ〈ゆずのみ〉を皮切りに、オールタイム・ベスト『ゆずイロハ 1997-2017』のリリース(2週連続1位獲得!)、4会場6公演に及んだ自身初の全国ドーム・ツアー、初の試みとなった2週連続リリースのEP『謳おう』『4LOVE』、8会場のステージを踏んだ全国の夏フェス参戦、5年ぶりとなったホール・ツアー〈謳おう〉、それに続いて2度目のアジア・ツアー〈謳おう -UTAO-〉、そして「紅白歌合戦」での大トリ──とにかく精力的で盛大だった、ゆずのデビュー20周年イヤー。TVでパフォーマンスを観られた機会が多かったこともあって、あらためて彼らの音楽が持つ引力、包容力、楽しさを感じとったリスナーもきっと多かったはずでしょう。
そんな祝祭感いっぱいの一年を経た彼らが、待ちに待ったアルバム『BIG YELL』を届けてくれました。前作『TOWA』以来およそ2年3か月ぶり、通算14枚目のオリジナル・フル・アルバム。〈大きな叫び声〉といったような意味を持つそのタイトルからしてゆずらしく、それだけでも思わず胸が躍るというもの。ではさっそく、その内容をお知らせしましょう!
〈たった一度きりの人生 勝った負けただけじゃねぇぞ〉──この一年のステージでもっともパフォーマンスされたでありましょうゆずのニュー・スタンダード“タッタ”、「NEWS ZERO」のテーマソングとして書き下ろされた温かみと優しさに溢れるミディアム・ナンバー“カナリア”、TV-CMでおなじみとなった清涼感いっぱいのピースフル・ナンバー“愛こそ”、映画「斉木楠雄のΨ難」の主題歌としてデジタル・リリースされ、MVでのラヴリーなコスチュームと〈双子ダンス〉も話題になったときめきソング“恋、弾けました。”、スーパー歌舞伎II「ワンピース」の主題歌として提供した楽曲をみずからの歌声で再演した元気いっぱいのナンバー“TETOTE (YZ ver.)”、イチロー選手出演のTV-CMでオンエア中のハートフルなナンバー“イコール”、憧れの未来へと進んで行く〈君〉にエールを贈る『4LOVE』EP収録曲“日常”、ホームの伊勢佐木町で2018人の新メンバーと共に作り上げた感動的な応援ソング“うたエール”……と、ここまではみなさんどこかで耳にしてるはずの楽曲たち。
で、ここから紹介するのが初出の楽曲群で、これがどの曲もまた痛快! 愉快な楽団フィーリングで晴れやかに幕を開けるオープニング“聞こエール“を筆頭に、日常や社会に忍び寄る病み、闇への警笛を鳴らすミクスチャー・ロック・テイストの異色サウンド“通りゃんせ”、人生のつまずき、迷いをセンチメンタルなメロディーに乗せた“風のイタズラ”、楽しげでユーモラスなメロディーのなかにさりげなくシニカルなメッセージを込めた“ガイコクジンノトモダチ”、心がスゥーッと楽になる叱咤激励ソング“存在の証明”など、楽しかったりシリアスだったり切なかったりホッとさせてくれたり……。
TeddyLoid、CHRYSANTHEMUM BRIDGE、蔦谷好位置、斎藤有太、釣俊輔、大野裕一、磯貝サイモンら共同アレンジャー陣との有機的な絡みと、2人のソングライターとしての持ち味が十二分に活かされたバラエティーに富んだラインナップで、〈これぞ、ゆず〉な期待に応えながらも新しいときめきと感動をそこかしこでキャッチできるうたが立派に実りましたよ!
初回生産限定盤の特典DVDも、オマケ以上の価値がある内容。まずは16年ぶりの参戦となった〈ROCK IN JAPAN FESTIVAL〉をはじめ、〈YUZU SUMMER FEST. TOUR 2017 GOOD SUNSHINE DAYS〉と銘打って巡った昨年の夏フェスでのパフォーマンスを各地1曲ずつ厳選して収録。さらに、ファースト・ミニ・アルバム『ゆずの素』を完全再現した〈冬至の日ライブ ファイナル〉の模様もたっぷりと。デビュー・イヤーの97年から毎年12月22日に開催してきた〈冬至の日ライブ〉、そのファイナルはホームである横浜・カトレヤプラザ伊勢佐木の屋上で開催され、当日はAbemaTVでも中継。アーカイヴ配信終了後も反響の多かった貴重なドキュメントの映像化は、なんともうれしいところです!
アルバム・リリース後は、4月29日のさいたまスーパーアリーナ公演を皮切りに全国11か所26公演におよぶアリーナ・ツアー〈YUZU ARENA TOUR 2018 BIG YELL〉に出かける、ゆず。歌の力でたくさんの人たちの心と心が繋がっていく感動的な風景は、21年目も相変わらず続いていくようですね!