4月上旬の来日ツアーも話題を呼んだコペンハーゲンの最重要バンドより、4枚目となるアルバムが到着。ハードコアを軸にした初期の獰猛なサウンドから一転、2014年の前作では哀愁のアメリカーナやカウ・パンクに接近してファンを驚かせた彼らだが、ストリングスやホーンを増強した今作のスケール感はもはや王者の風格だ。“Under The Sun”や“Catch It”など研ぎ澄まされた言葉でグルーヴを生んでいくナンバーがあれば、往年のストゥージズみたいに妖しくピアノを叩き付ける“The Day The Music Dies”もあって、さらに“Pain Killer”ではエリアス・ベンダー・ロネンフェルト(ヴォーカル)が恋人のスカイ・フェレイラとデュエットを披露し……と、カリスマ性と色気の大渋滞でクラクラする。ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズとプライマル・スクリームが出会ったかのようなアンサンブル、そして虚ろな目をしたエリアスの酔いどれ詩人っぷりには同性ながら惚れてしまう。