PUNK NOT PUNK
[ 緊急ワイド ]ポスト・パンクの鼓動が、ふたたび
暗黒の煌めきが世界を覆う。我々は不気味なビートに身を預ける以外、なす術はないのか……
あの頃の空気を蘇らせた、いま聴くべきスリリングな作品
再結成後2枚目のアルバム。ジャキジャキしたリズム・ギターを核とするファンク味たっぷりのパンク・サウンドはますます鋭さを増し、インダストリアル・ノイズが冷酷なムードを助長。ローンレディら後進のラヴコールも相まって、いまふたたび黄金期を迎えようとしている。 *武田
〈ノワール・ウェイヴ〉を標榜する南アフリカの新鋭。この初EPでは、アフロビートやらドリーム・ポップやらディスコやらをゴッタ煮したサウンド上で、ソウルフルなヴォーカルを浪々と響かせている。ピッグバッグら偉大な先人に負けず劣らずの、挑戦的な姿勢&雑食性が素晴らしい。 *青木
驚きを持って迎えられたこの復活作は、ボブ・マーリーやジェイムズ・ブラウンなど憧れのアーティストたちをカヴァーした一枚。激重の超絶ファンキーな演奏とエイドリアン・シャーウッドによる強烈無比なダブワイズは、絶頂期にあたるOn-U在籍時の音源と比べても遜色なし! *青木
ステファン・シュナイダー(トゥ・ロココ・ロット)とスヴェン・カシレックがケニアを旅して完成させたコラボ盤。多彩かつ複雑なアフリカン・リズムとノイズ/インダストリアル風味な電子音がクールにせめぎ合う、クラウトロック~ポスト・パンク好き必聴の仕上がりだ。 *青木
ファック・ボタンズの片割れが手掛けた、ブリストル在住の多国籍バンドによる2作目。同郷の先輩であるピッグバックと!!!周辺のNY勢を結ぶような、プリミティヴかつフリーキーな似非トロピカル・パンクを聴かせてくれる。フロア対応度の高い音なので、四の五の言わずに踊るべし。 *武田
35年ぶりとなるこの復活作は、ブロック・パーティやラプチャーを手掛けてポスト・パンク再評価の気運を促したポール・エプワースのプロデュース。凶暴性こそ若干薄れたものの、パンクやファンクやダブをドロドロに溶かした不穏なサウンドは、ポップ・グループ以外の何ものでもない。 *武田
元ウーマンの主要メンバーが結成した新バンドによるこの初作は、殺気立った鋭角ギター、陰鬱なダンス・ビート、デカダンなヴォーカル……と、どこを切ってもバウハウスへの愛がダダ漏れしたゴスい内容に。ポリティカルな匂いが感じられるバンド名も、非常にポスト・パンク的。 *武田
フロントマンの別プロジェクト、マーチング・チャーチの新作も本企画にバッチリはまるが、ここではコペンハーゲン産の暗黒ダンス・ロック人気を決定付けた本隊の最新作をレコメンド。ブルースの匂いも漂うサウンドは、ニック・ケイヴの正統後継者と呼ぶに相応しい。 *武田
スロッビング・グリッスルのヴォーカリストとシンセ奏者が、80年代にクリス&コージー名義で発表したナンバーをセルフ・カヴァー。金属的なビートが規則的に繰り返されるヒプノティックな仕上がりは、ファクトリー・フロアやアントールドなどの〈ポスト〉な音とも完全にリンク! *武田
パンキッシュなインダストリアル・テクノで地下世界を騒然とさせたパウエル。さまざまなレーベルから発表してきたシングルから成るこの銀皿盤には、異形の暗黒テクノが満載……なのだが、〈テクノ〉とはいえ踊れなさと妖しさはアイク・ヤードあたりのファンにドンピシャか!? *青木
フォー・テットが手掛けた18年ぶりのソロ作。ジャズやベース音楽の意匠を、空間を活かしたバンド演奏と独創的なアレンジでまとめていて刺激的だ。リップ・リグ&パニックなどでマイクを握り、曲者揃いだったブリストル・シーンで存在感を光らせた往時の尖りっぷりが蘇る。 *青木
カリブーやオブ・モントリオールのドラマーとしても活躍するシンケインの2作目は、ZE~ルアカ・バップのラインに並ぶ、アフリカ音楽とファンク/ソウルがカラフルに調和したミュータント・ロック盤。魅力的なファルセットやカントリー調の曲も飛び出すなど聴きどころ多し。 *青木