90年代序盤にR&Bシーンの覇権を握った伝説的グループが、結成メンバーのテリーとシンディ、2003年から参加のローナによるトリオ体制で14年ぶりのアルバムをリリース。半数以上のプロデュースは、グループの生みの親であるフォスター&マッケルロイだ。スヌープを迎えて60年代ソウル・ガールズを気取った“Have A Seat”はレトロ・ヌーヴォーな初期の佇まいに通ずるし、ラファエル・サディーク製のミッド“I'm Good”での麗しくもダイナミックな歌声の連なりは〈ファンキー・ディーヴァズ〉の面目躍如。そんな往時を思わせる美点は、ニーヨ作のオーセンティックな“Rocket”のエレガントな振る舞いで最大値を記録する。アン・ヴォーグでなければ放つことのできない魅力が確かに存在する上々の復帰作だ。