EPに続いて放つセカンド・アルバムは、幅広い制作陣と曲調にハメた前作と打って変わり、NYで活動を続けるDJ SCRATCH NICEの全面サポート作だ。GRADIS NICEらも共同プロデュースで名を連ねたシンプルなトラック群が、狙い澄ましたシャープなリリシズムを宿す歌詞と、表情緩めぬ仙人掌のラップを引き立たせる。亡きFEBBへの献辞で始める冒頭の“99 'Til Infinity”から、苦味走ったラインで耳を刺すそのペンは快調で、“Darlin” でのJJJとの絡みも格別。スウィートなコーラスのウワネタに心ほだされるそのトラックが、歯切れの良いJJJはもちろん、過去に思いを馳せる主役の姿をぐっと甘美に色づけ、こちらも遠い目に。ラップを滾らせる“Show Off”はそれに輪をかけた言わずもがなのクライマックスだ。