耳馴染みの良いヴォーカル曲を配した前作『ALL THIS LOVE』から一転、今作は国内外のMCを全曲で迎えた硬派なラップ・アルバム。入り口はBASIとの先行曲“戯れ”で柔らかにエスコートしつつ、そこから続くフランク・ン・ダンク、仙人掌を迎えた2曲でJ・ディラ作法をガツンとかまし、Dusty Huskyのズルズルなラップには煙たいダブで応戦。アイヴァン・アヴ、スカイズー、MEDといった海外勢の人選も間違いないし、全編ネームドロップで構成されたISSUGIの技あり曲“ABC”が象徴するように、本作に通底するのはヒップホップ文化を愛するブレない信念だ。VGMなるユニットとの蕩けるブロークンビーツを経て、自分の道を貫くことの孤独と悲哀をNORIKIYOがメロウに紡ぐ“I Want”で締める流れも熱い。