新しい夏を描く、新しいストーリー

 おんなの子の1日はなに着てくかできまるの♪――MICO(SHE IS SUMMER)“どこまでもBRATOP&GO”(ユニクロ〈ブラトップ〉キャンペーンソング。未音源化)――なんていう感じで、夏をいかにして気持ち良く過ごすかも、どんな音楽を聴くかで決まるはず!……というところで、記録的な猛暑が続く2018年の夏とコーデしたい一枚が、SHE IS SUMMERの6曲入りミニ・アルバム『hair salon』。GREAT3の片寄明人をプロデューサーに迎えて制作された今作は、MICOいわく〈時代と私の体温が吸い寄せる音に誘われて出来上がったさまざまなストーリー〉ということで、過去作でも活躍した高橋海(LUCKY TAPES)、原田夏樹(evening cinema)、宮野弦士、石井浩平(Alaska Jam)といった面々に加え、サンダーキャットのカヴァーを含む昨年末のデビュー盤も話題となったTENDRE、odolのキーボーディスト=森山公稀、わがまま女子からの支持も厚いシンガー・ソングライターのコレサワが作家陣として参加している。

SHE IS SUMMER hair salon Being Borings(2018)

 TENDREのアレンジによるラヴァーズ仕立ての“CALL ME IN YOUR SUMMER”から“会いに行かなくちゃ”“未知を探す”と続く前半3曲はいずれもアンニュイな雰囲気で、MICOの清涼感あるヴォーカルともベストマッチ。ここは涼しい部屋でぐたぁ~っとしながら聴くとなお良しかも。恋をして輝く大人女子のハートフルな気持ちを乗せた“エンドロールの先に行く”から“生活”、コレサワ作の“女の子の告白”の後半3曲は、SHE IS SUMMERのポップネスが弾けるアップテンポな楽曲がズラッと。〈どんな感情だって 膨らんだら痛い〉――恋愛盛り、仕事盛り女子のマインドスケープと、さりげないけど心に留めておきたい日常のシーンを切り取ったMICOの歌詞も絶好調で、同性からのシンパシーはもちろんだけど、男の子からすれば女の子のプライヴェートが覗けちゃったようなドッキドキ感。あっ、彼女が生活している風景、ずっと見続けてみたいかも?……って、3度目の夏を迎えたSHE IS SUMMER、いつも以上に恋しいです。