ゲッツの1950年代末は、ある意味での停滞期であった。本作の演奏は、地元の名プレイヤーを携えた貴重な演奏であると共に、この時期の彼の心境が伝わる演奏ということになる。40年代半ば10代でプロデビューし、Norgran-Verveの看板ミュージシャンとしての名声を勝ち取りながらもやや停滞していたゲッツ。スウェーデンを始め欧州でのツアーによってミュージシャン、観客からリスペクトと人気を獲得し、60年代のボサノヴァでの大ブレークへ向けて進んでいく時代だった。ここではソラール~ミシュロ~クラークにゴーリーを加えて、この時期の人気スタンダードナンバーが演奏され、ゲッツファンには極上のプレゼントだ。
スタン・ゲッツ 『Live In Paris 1959』 地元の名プレイヤー携え、この時期のスタンダード・ナンバーを演奏
ジャンル
ジャズ