桜の花も焼け焦がす鋼鉄連載〈OSHIETAL〉。今回はFIFAワールドカップを目前に控えて注目を集めるブラジルから、メタル界の新星と巨星をオシエタル! まずは、〈ガールズ・スラッシュの猛襲〉なるキャッチコピーも勇ましいサンパウロ在住のネルヴォサだ!
結成は2010年。2012年にネット上でPVを公開するや、再生数が即2万回を記録し、あれよあれよと老舗レーベルのナパーム入りするのである。それから待たされること2年、このたびW杯に合わせて(?)ついにファースト・アルバム『Victim Of Yourself』を発表したのだ! ベイエリア・スラッシュ・シーンで名を馳せるアンドレイ・ボウジコフの手掛けたジャケからして本物志向が窺えるが、今作で聴けるゴリゴリしたリフの塊、手数足数ハンパない高速ドラム、分厚すぎるベース、やたらと威勢の良いヴォーカルは、男顔負けどころか、現行シーン最凶といっても過言ではない。そりゃ、レイヴン、エクソダス、そして自国の英雄であるセパルトゥラがこぞって大絶賛するわけだな。
さて、セパルトゥラの名前が出てきたところで、お次はそのギタリストであるアンドレアス・キッサーが結成した新バンド、デ・ラ・ティエラを紹介しよう! 参加メンツは、マナーのアレックス・ゴンザレス(ドラムス)、A.N.I.M.A.L.S.の元リーダーであるアンドレス・ギメネス(ヴォーカル)、そしてロス・ファブロソス・キャデラックスのセニョール・フラヴィオ(ベース)という、メキシコやアルゼンチンから呼び寄せたラテン・ロックの精鋭たちだ。4月9日に日本盤化されるファースト・アルバム『De La Tierra』では、セパルトゥラ本隊に負けじとトライバル・ビートをかましたり、南米音楽のさまざまな要素をブレンドしながら、キッサー節炸裂のスラッシーかつトリッキーなリフですべてをなぎ倒している。このグルーヴ感満点のサウンドは、比較対象が見当たらないほど個性的で、マジでカッコ良すぎだぞ! どうだ、同地のシーンは熱く燃え盛っているだろ!? サッカーで浮かれるのも結構だが、この2作品を聴かずしてメタルはカタルべからず! 鋼鉄界ににわかファンは不要だぜ!!
▼関連作品
左から、ネルヴォサのファースト・アルバム『Victim Of Yourself』(Napalm/SPIRITUAL BEAST)、デ・ラ・ティエラのファースト・アルバム『De La Tierra』(Roadrunner/ROADRUNNER JAPAN)
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