〈Young Sinatra IV〉を表すタイトルを冠した新作。“1-800-273-8255”のヒットで、すっかり若者の代弁者たる立ち位置を確立した向きのあるロジックだが、彼の別名であるヤング・シナトラとしての連作は、この第4弾で終焉を迎える。なんといっても、ハイライトはRZAやメソッドマンらウータン・クランの構成員11名を迎えた“Wu-Tang Forever”だろう。ロジックからマイクパスを受けてスピットするゴーストフェイス・キラーの第一声目から目頭が熱くなる。他にもNWAやナズに向けたオマージュなど、節々に散りばめられたシーンの先輩らに向けた目配せポイントが印象的。言うまでもなくラップそのもののスキルも申し分なく、一つの区切りを経たロジックの今後が楽しみになるアルバムだ。