一人でいること。一人が好きだった。一人の時間が1日のうち半分はないと、自分の中でどこか無理をしてしまう。
小学6年生の時に、はじめて〈消えたい〉と思った。はじめてそれを口にして周りの人を困らせた。本当は、消えたいなんてこれっぽっちも思っていなかった。嫌なことがあったから、いっそのこと逃げ出してしまいたいと思う感情と瓜二つ。それを繰り返すと、その気持ちは心を侵食してゆく。いつのまにか〈いつも笑顔で明るいね〉と言われていた私は、〈ネガティヴだね〉と言われるようになった。正直、それは今も変わってない。その掛け違ったボタンに気付いた時、私は思った。何かでもがき苦しんでいる時、いちばん近くにいて味方をしてくれる人の言葉は耳に入っていない。心がみずからその言葉を弾いている。いちばん近くにいてくれる人の言葉は突然の頭痛の時にとりあえず飲む薬みたいなものだった。「今日は大丈夫? 明日もがんばろう」と言ってくれる友達。自分を変えなければと思うと、あの時かけ続けてくれていた言葉が、どんなに私のことを想ってかけてくれていた言葉なんだと思う。時々、まだ純粋な気持ちを持つ6歳の弟が羨ましくなる。自分の思ってる気持ちをそのまま言葉に出せたらなぁ。相手にどう伝わるかを考えず、嬉しかったり、悲しかったりを言葉にできたらいいのに。あまり受け入れられないこの気持ち。現代ではまとめて〈メンヘラ〉だとか〈病んでいる〉と表すようになった。その言葉でまとめられてしまうと、心の奥底にある悩みや妬みや葛藤が、すべて丸く泥団子のようになってしまうから嫌いだ。自分がいちばん自分に嫌気がする。ないものねだりの毎日で、すべてが揃うことなんて昔も、今も、死ぬ直前もない。
ただ、生まれ変わってもまた私になりたい。
今回紹介する曲はtipToe.というアイドル・グループの“かすみ草の花束を”という曲です。私がtipToe.さんを知ったのはまだ話題になる前だったと思います。ネットで回ってきた写真で凄くかわいいと思ったメンバーさんがいてお名前を知り、当時ブログにも書きました。それからしばらく経ち、凄く話題になっていて曲を改めて聴いてみようと『magic hour』というアルバムを聴いて、それから衝撃を受けました。久しぶりにアイドルさんの楽曲で〈これは良すぎる〉となったグループさんだと思います。私のマネージャーさんとも曲が凄いと話題になりました。なかでも好きなのが今回紹介する“かすみ草の花束を”です。これぞ王道アイドル!みたいなサビのメロディーと、あとサビのベースラインがめちゃくちゃ良いんです。普段あまりアイドル楽曲を聴かないといった方もぜひ聴いてみてほしい。いや、そういう方にも今後どんどん聴かれていくグループさんなんだなと思います。tipToe.さんのこれからの音楽が凄く楽しみです。
最後に、私事ですが私のデビュー曲“Fifteen”のMVが公開になり、音源配信もスタートしています。アレンジはくるりさんや銀杏BOYZさんのサポート・ギターなどもされている山本幹宗さんです。たくさんの方に聴いていただきたい一曲になったなと思います。12月には1stワンマンライヴも開催しますのでぜひ遊びに来てください。
原田珠々華(はらだすずか)
2002年生まれ、神奈川出身の16歳。シンガー・ソングライターもアイドルも網羅するスタイルをめざしてソロ活動中。12月13日にはバンド・セットでの初ワンマン、同23日にはアコースティック・セットでのワンマンを控えて、デビュー曲“Fifteen”(TOWER RECORDS)の配信がスタートしたばかりです。
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