世間が混迷の度合いを増すほど、彼らの音楽は鋭く雄弁に響く。前作のサイケデリック・ソウル~ファンク路線から、4年ぶりの新作はグルーヴィーでソリッドなロックンロール・アルバムに転化。持ち前のミクスチャー精神でもって、60~70年代のUS/UKロックを換骨奪胎してみせる。社会の歪みに対する憤りや、虐げられた人々への想いを詩的な物語に織り込む彼らの振る舞いが、いまほど有効な時代もないだろう。